毎日がブルースさ/B.B.KING ⑥ | BGMと独り言

BGMと独り言

世の中がなんだか益々混沌としてきましたね。
好きな音楽を聴いていられるだけでも幸せなことかもしれません。

今日のあなたのBGMは何ですか?
私は今・・・

 

 

B.B.KINGの刑務所におけるライヴアルバムは、知る限りでは『Live At San Quentin』(1990年)と、この『Live In Cook County Jail』(1971年)がある。

 



当時のアメリカの刑務所(当時も今も知らないが)は、正に「地獄」と言われた無法地帯だったようで、囚人間で麻薬のほかに様々なものが売られていたし、同性のレイプや殺人まで生じていたらしい。

 

そんな「荒くれ者」たちの発する異様な殺気と緊張の中で演奏するのも大変だろうなと思う。

ジャケットの写真を見ても、地べたに座り込んだ囚人たち2,117人(うち7割が黒人だったそうな)、最小限のセキュリティで、一度暴動が起これば収まりがつかないだろうなと想像する。

 

それでも、音源を聴けば、B.B.の緩急をつけた巧みな話術と真剣なパフォーマンスに囚人たちが引き込まれていくのがわかる。

 

女性のMC、何を言ってるかわからないが囚人たちのブーイングの中、B.B.が紹介されるといきなりお馴染みの「Every Day I Have The Blues」で始まる。

かなりアップテンポだ。

そして、間髪入れずにスロー・ブルース「How Blue Can You Get?」と続く。

 

迫力満点の咆哮、よく泣くギター、否応なく引き込まれていく。

囚人たちの心も鷲掴みにされたに違いない。

 

最後、B.B.のあいさつの中で「今日のルシールはとても元気だった。とてもよかった。」と言っていたのが印象的である。