ドラムのレッスンを受け始めたとき、「好きなドラマーは?」と聞かれたことがある。
特にいなかったので返答に困った。
「こんなドラマーみたいになりたいとか、アイドル的なドラマー、誰もいないの?」
実際、憧れるドラマーもにいなかったし、プロを目指しているわけでもなかったので、「特にいません。」と答えると、「そうなんだ」と信じられないという顔をされた。
ドラムのレッスンを受ける以上、好きなドラマーや目指すべきドラマーは必須なのか。
少し経つと、また聞かれた。
「特にいないけれど、強いて挙げればトニー・ウィルアムですかね。」と答えた。
若い頃に、グレート・ジャズ・トリオや第2期マイルス・デイビス・クインテットで聴いたことがあるので、思いつくまま答えると、「そう?」と少し不服そうな表情が返ってきた。
少し経つと、また聞かれた。
聞かれるようになってから、ドラマーに注目をしながら音楽を聴くようになっていたので、それなりにいいと思えるドラマーの一人や二人はできていた。
そこで、「最近、ブライアン・ブレイドがいいなと・・・」と答えた。
「え?誰?」
「いや、あの・・・ブライアン・ブレイド」
「じゃ、そのドラマーみたいになれるように練習しなさいよ。」と、少し鼻で笑ったように見えた。
まさか、あんな風に叩けるようになれるわけもない。
だったら、しっかり教えてくださいと言いたかったが、きっとブライアンを知らないのかなと思ったので止めておいた。
その講師は、「スティーブ・ガッド命」みたいな人だったので、そう答えて欲しかったのかなと、後から知って思った。
今では、好きなドラマーはたくさんいる。
トニー・ウィリアム、ブライアン・ブレイド、エルビン・ジョーンズ、ポール・モチアン、エド・シグペン、ジョー・モレロ、ジャック・ディジョネット、オマー・ハキム、ロイ・ヘインズ、ビリー・ヒギンズなどなど・・・違いは、さほどわからないけれどね(笑)
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リトル・リヴァー・バンド(LRB)の2枚組ライブ・アルバム『BACKSTAGE PASS』(1980年)は、地元オーストラリアとアメリカでのステージ演奏を収めたものである。
LRBは、1975年、オーストラリアで結成され、オーストラリアとアメリカ双方において商業的な成功を納めたとされているバンドで、これまでかなりのメンバーチェンジを行っているらしい。
当時のバンドメンバーは、リード・ボーカルのグレン・シャーロックを中心とし、トリプル・ギターとドラムの構成である。
このレコードでは、他にベースとキーボードのサポートを得ている。
トリプル・ギターのアンサンブルと流麗なコーラス・ワークが魅力のバンドであるが、このライヴではシンフォニー・オーケストラが加わる曲もあり、雄大で力強いステージが展開されている。
収録曲は、それまでの4枚のオリジナル・アルバムからのチョイスに新曲5曲を含めた内容になっているため、当時のLRBを知るにはもってこいのアルバムである。
アリスのバイトの際も、通行証のような身分証のようなものを渡され、首に架けておけば会場内も自由に出入りすることができた。
そのとき、これを「BACKSTAGE PASS」と呼んでいるんだなと理解したのだった(笑)。