はい。「自分が入力した言葉を合成音声で読ませる」という意味なら、すでに声が出なくても使えます。以前の自分に似た声で読ませたい場合は、作成済みの音声があるか、過去の録音を受け付けるサービスで作成条件を満たせるかによります。録音の利用について本人の同意を確認できることも必要です。 自分の声を再現することと、自分が入力した言葉を読み上げることは、分けて考える必要があります。

自分で入力した内容を読ませるなら、今から始められる

文字入力型の読み上げアプリでは、本人がスマートフォンに「今日は息苦しさについて相談したいです」と打ち、選んだ合成音声で再生します。過去の録音は要りません。本人が伝えたい言葉を入力できるか、必要なら入力や操作を手伝ってもらえるかを確認します。 声が出なくなった後でも、端末に入っている声やアプリが提供する声を選べます。本人らしい音色かどうかにかかわらず、文章の中身は本人がその場で決められます。よく使う短文を保存できるものなら、最初の説明や「少し待ってください」は準備し、予定外の返答だけを入力できます。 一方、失語症などで言葉を文字にすることも難しい場合や、主に絵やシンボルで意思を伝える場合は、文字入力型を渡すだけでは合いません。文字で言葉を組み立てることが難しいのか、指で入力することが難しいのかを確かめます。選択肢を指さす方法やシンボル型AACも候補になります。

以前の音色で読ませたいなら、録音の条件を確認する

過去の録音を取り込めるサービスなら、動画やボイスメッセージが材料になる可能性があります。必要な長さや音質はサービスごとに違い、BGMやほかの人の声が重なった録音は使えないこともあります。新たに指定文を読み上げる必要があるサービスとは分けて確認してください。 家族が持っている動画だからといって、本人の声を自由に複製してよいとは限りません。本人が意思を示せるなら、どの録音を使うか、作った声を誰がどこで使えるかを本人に確認します。同意を確認できないときは家族だけで複製を進めず、まずサービスの同意要件を確認します。その間も、既成の合成音声で伝える方法は使えます。 音声クローンが作れなかったとしても、文字を介した発話そのものを諦める必要はありません。まず既成の声で伝え始め、本人の声を作成・利用できることが確認できたら、声の設定を見直せます。

診察で大切なのは、誰が答えを決めたか

例えば診察で医師から「今日、この検査を受けますか」と聞かれたとします。本人が「検査の説明を聞いてから決めたいです」と入力し、既成の合成音声で再生する。その場で何を確認したいかを伝えているのは、本人です。 過去の録音から作った本人の音色で同じ文を再生できれば、声へのなじみや本人らしさを感じる人もいます。家族が文を用意する場合も、その内容でよいかを本人に確認します。操作を家族が手伝っても、伝える内容を本人が選び、確認できていれば、その意思を伝えられます。 まず、本人が入力または別の方法で選んだ短い一文を、端末の合成音声で再生してみてください。本人に似た声がすでにあるならそれを選び、過去の録音があるなら取り込み可能かを確認します。どちらもない場合は、既成の声で伝え始められます。