思い起こせば

すっかり忘れていたことを思い出した




昨日の打ち上げで


自分の30歳ぐらいの時の話しになった




恐らく

自分の今までの人生で

一番輝いていた時間だと思う




版画作家としても


それなりに注目され、あちこちから声もかかって

評価も頂いていた




その頃所属していたとある麻雀の団体でも、様々なタイトルで優勝し



雑誌にも大きく取り上げてもらったりした




貧乏だったけど


迷いはなかった



ただ、ひたすら毎日全力だった




人のことばかりやっていたけど


とても充実していた



ずっとその生活が続くのだと思っていた




しかし




その直後に借金を抱え



地獄に落ちた





麻雀も辞めざるを得なかったし


人間関係も疎遠になった





ただただ、目の前の支払いに追われるだけの生活だった




日雇いの肉体労働を昼も夜もやった



それでも、金利にしかならなかった




天狗になっていた自分が


実は何も出来ない無力な存在だということを思い知らされた




そんな時に


手を差し伸べてくれたのは




パチンコだった





パチプロになっていなければ


いまだに借金生活だったであろう





だから、自分はパチンコには大きな恩義がある





それを返していかねばと思い




パチテレに出始めた




が、



いつの間にやら


余計な物がブクブクとくっついて



醜く肥ったおっちゃんになってしまっていた



マイナスだった頃には

失う物のない強さがあった




しかし、ちょっとでもプラスに入ると



ちっぽけな物でも

それを失うことへの不安と恐怖が



弱さとなったりする




手にした物を一回全部捨てないと



新しい物を手にすることは出来ない




わかってはいるんだけどね






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