解凍5題 01「あたためでお願いします」お題屋 TVよりお題は引用。
これはお題に沿ってショートストーリーを書くというもの。
お題から物語を連想して書く練習です。センスが問われる。ではいきます。
■ ■ ■
……コンビニバイトっていうのは深夜の時間帯が一番楽だ。
客が来ないので朝や昼の忙しさも無いしね。
そんなヒマな時間帯に来るあるひとりの客……。
私はその人に心を、ってか、興味をそそられていた。
深夜三時。コートを羽織った中年男性は
いつもその時間に現れる。三時ちょうどピッタリに。
彼が買うのは決まっている。弁当だ。焼き肉弁当。
なぜかこの時間帯に弁当を一つ買っていく。
「こちらのお弁当、暖めますか?」
「いいえ」
いつもそのパターンだ。この人は絶対に暖めない。
それも毎回、焼き肉弁当。
なんなんだろうこの客は?
私はずっと気になっていた。昼のシフトでも気になっていた。
でも彼は決まって深夜三時に来るのである。
違うバイトの子に聞いてみると
そんな人は来てないよ、と言われた。
つまり……私が一人だけのシフトの時に限って来るのである。
なぜだ?もしかして私に惚れてるとか?
うぅ~ん、私は若い子の方がな……。
ある日。私は思いきってそのお客さんに声を掛ける事にした。
「これから夜食なんですか?頑張って下さいね」
しぃん、と静まりかえる私と客だけの店内。
お客さんは無言だった。
「あ、あたためますか?」
「いいえ」
私にはそれが半端無くイラついた。無愛想すぎる。
私は決意した。絶対に弁当を暖めさせてやる!!と。
半年が経ち、冬になった。深夜なのに大雪。凄い寒い。
これだったら暖めてくださいって言うだろう!!
私はめちゃくちゃ楽しみにしていた。
そして深夜三時。来たああああああ!!!!!
「あたためますか!?」
私は自信たっぷりにそれを聞いた。おそらくコンビニバイトして
はじめてこんな最大級の元気と笑顔で言っただろう。
さぁ、言え!!暖めますって言え!!言え!!!!
私は内心、そう問い続けた。コンビニ店内のヒーターもエアコンも
全部切った。さぁ、この状況。暖めざるを得ないだろう。言えっ!!!!
「あたためでお願いします」
「かしこまりました」
……いやっっったあああああああああああああああああああああ!!!
ざまぁみろ!!!!!勝った!!!!!私は勝った!!!!!!!!!!
コンビニバイトしてて良かった。最高だ!!!この瞬間最高!!!!
景気がいいわ。派手に暖めよう。ガスコンロの元栓を抜いて……
灯油をまこう。ガソリンもまいちゃえ!!!
「待っててくださいね。すぐに暖めますから!!!」
あぁ、コンビニって最高……。ありがとう。英語で言うとサン○スだよっ!!!
私はガスバーナーのスイッチを入れた。
着火。
爆発。
炎上。
「ねぇ……なんであのコンビニは全焼したの?」
「なんか店員が寝ぼけて火を放ったらしいよ」
「うわ……、過労で幻でも見えてたんじゃない?その店員」
「大やけどを負ったらしいよ。こんがりと上手に焼けたとか」
「なにそれ?上手に焼けました~~~♪ってか?」
「怪我人はその店員一名らしいよ。
お客さんが誰一人居なかったのは幸いだね」
自らが焼き肉となった店員。自らを暖めてしまった店員。
コンビニの深夜勤務、あなたもご用心を……。
END
あとがき
30分で書いたにしては上出来じゃね?
「世にも奇妙な物語」でありそうな感じだけど……。
注:コンビニのサン○スとは一切関係ありません。
これはお題に沿ってショートストーリーを書くというもの。
お題から物語を連想して書く練習です。センスが問われる。ではいきます。
■ ■ ■
……コンビニバイトっていうのは深夜の時間帯が一番楽だ。
客が来ないので朝や昼の忙しさも無いしね。
そんなヒマな時間帯に来るあるひとりの客……。
私はその人に心を、ってか、興味をそそられていた。
深夜三時。コートを羽織った中年男性は
いつもその時間に現れる。三時ちょうどピッタリに。
彼が買うのは決まっている。弁当だ。焼き肉弁当。
なぜかこの時間帯に弁当を一つ買っていく。
「こちらのお弁当、暖めますか?」
「いいえ」
いつもそのパターンだ。この人は絶対に暖めない。
それも毎回、焼き肉弁当。
なんなんだろうこの客は?
私はずっと気になっていた。昼のシフトでも気になっていた。
でも彼は決まって深夜三時に来るのである。
違うバイトの子に聞いてみると
そんな人は来てないよ、と言われた。
つまり……私が一人だけのシフトの時に限って来るのである。
なぜだ?もしかして私に惚れてるとか?
うぅ~ん、私は若い子の方がな……。
ある日。私は思いきってそのお客さんに声を掛ける事にした。
「これから夜食なんですか?頑張って下さいね」
しぃん、と静まりかえる私と客だけの店内。
お客さんは無言だった。
「あ、あたためますか?」
「いいえ」
私にはそれが半端無くイラついた。無愛想すぎる。
私は決意した。絶対に弁当を暖めさせてやる!!と。
半年が経ち、冬になった。深夜なのに大雪。凄い寒い。
これだったら暖めてくださいって言うだろう!!
私はめちゃくちゃ楽しみにしていた。
そして深夜三時。来たああああああ!!!!!
「あたためますか!?」
私は自信たっぷりにそれを聞いた。おそらくコンビニバイトして
はじめてこんな最大級の元気と笑顔で言っただろう。
さぁ、言え!!暖めますって言え!!言え!!!!
私は内心、そう問い続けた。コンビニ店内のヒーターもエアコンも
全部切った。さぁ、この状況。暖めざるを得ないだろう。言えっ!!!!
「あたためでお願いします」
「かしこまりました」
……いやっっったあああああああああああああああああああああ!!!
ざまぁみろ!!!!!勝った!!!!!私は勝った!!!!!!!!!!
コンビニバイトしてて良かった。最高だ!!!この瞬間最高!!!!
景気がいいわ。派手に暖めよう。ガスコンロの元栓を抜いて……
灯油をまこう。ガソリンもまいちゃえ!!!
「待っててくださいね。すぐに暖めますから!!!」
あぁ、コンビニって最高……。ありがとう。英語で言うとサン○スだよっ!!!
私はガスバーナーのスイッチを入れた。
着火。
爆発。
炎上。
「ねぇ……なんであのコンビニは全焼したの?」
「なんか店員が寝ぼけて火を放ったらしいよ」
「うわ……、過労で幻でも見えてたんじゃない?その店員」
「大やけどを負ったらしいよ。こんがりと上手に焼けたとか」
「なにそれ?上手に焼けました~~~♪ってか?」
「怪我人はその店員一名らしいよ。
お客さんが誰一人居なかったのは幸いだね」
自らが焼き肉となった店員。自らを暖めてしまった店員。
コンビニの深夜勤務、あなたもご用心を……。
END
あとがき
30分で書いたにしては上出来じゃね?
「世にも奇妙な物語」でありそうな感じだけど……。
注:コンビニのサン○スとは一切関係ありません。