一話完結なのでそんな長くないです。暇つぶしにどうぞ。


「この世界は浄化が必要だ。そうは思わないか?
あまりにもひどすぎるのが多すぎる」
「ひどいのはあなたの頭だと思うよ」
「ふん……。そうやってすぐに人を下に見ようとする。人間の悪い癖だ」
「だって成績が私より下じゃん」
「……ちっ」
「あぁ!!舌打ちやめぃ!!気になるんじゃぼけえええええええ!!!!」
机をばんばんと叩く彼女。叩くたびに長い綺麗な髪が揺れた。
今までロングヘアーなんかにした事無い永遠セミロングの
私にとってその長い髪はうらやましい。
しかしそんな事は今はどうでもいい。
「喉がタクラマカン砂漠のように乾いている。さぁお前はどうする?」
「何よ……コーラでも買ってこいっていうの?
勉強会をやろうって誘ったのはあなたでしょ?強引に」
「この世にはこういう時、どういう手段で物事を決めるかわかるか?
ジャンケンだ」
左手をぐっと握る。そう、勝負の時という事だよ。
「いいけどイカサマは無しよ?」
「私が好きな言葉は正々堂々だ。覚えておけ」
「前回のテストでカンニングしてめっちゃ怒られてただろ……」
「決めるぞデッドオアアライブ」
「コーラ買うだけでしょ……」
彼女は面倒くさそうに構えた。勝負は一瞬で決まった。
「やたああああああ!!勝ちいいいいいい!!!」
「ふん……。わざと負けてやっただけだ。
お前ごときに全力を出すのも馬鹿らしいのでな」
「ざまーみろざまーみろ!!」
こいつ……むかつく。はしゃぎやがって。
私はため息をつきながら呟いた。


「……これが世界の選択か」

「うわぁ、出たよ。決め台詞……。女の子らしい言葉選びなよ」
「女の子らしい言葉?くだらん」

■ ■ ■ ■

この糞暑い中をてくてくと歩いて一人、自販機まで向かう。
「女の子らしい言葉、ねぇ……」
私にとって「かっこよさ」こそが命なのだ。女の子らしさなど……!
でもスカート穿くようになったな……。
私の兄、おにいちゃんはそのかっこよさを兼ね備えてる。
俺の右手がうずくぜええええええええ!!とかかっこよすぎ。
そんな事を考えてたらもう自販機の目の前だ。

■ ■ ■ ■

「……良いゲームを思いついた」
「はぁ?」
「まぁ、聞け」
私は部屋に入るなり、彼女に不敵な笑みを浮かべた。
どん!と目の前の机に二本のコーラを置く。
「クックックック……」
「お前その笑い方マジで辞めろ。キモい」
私はそんなツッコミを無視した。
「イカれたパーティーの始まりさ……」
「あー、はいはい」
「この二本のうち、一本だけが私が思いきり振ったやつが混ざっている。
運の悪いやつはコーラまみれになるだろう。クックック……」
「はぁ!?ちょっと!!!ここは私の部屋!!!」
「興味無いね。この部屋がコーラまみれになろうとも知った事ではない」
私の言葉を聞いた瞬間、彼女はがさがさと新聞紙を下に敷き、
机の上の教科書類を避難させた。
「正気かこいつ……、人の部屋でやるとか」
「お前とは小学校一年以来の付き合いだろう相棒。
そんな事もわからないのか?んー?」
「相棒ってあなたねぇ……。そんなんだから私以外、友達が出来ないのよ」
「さぁ!!ジャッジメントタイムだ!!!」
「あなたのテンションってホント疲れるわね……」
二人で同時に缶を開けた。

世界が漆黒の闇に包まれた。


「んぎゃあああああああああああああ!!!」
「あはははははははは!!!」
私の完全敗北だった。
「……」
「コーラが少なくなったからって涙目にならないの」
ごくごくと彼女は勝利の美酒を味わっていた。
「く……これが世界の選択か」
「あなたと居ると疲れるけど楽しいわ。飲む?」
すっとコーラを差し出される。彼女が女神のように思えた。
「……いいの?ありがと」
「そーいう時だけ女の子っぽいんだから」


「あぁ、美味しい……。
コーラってこんなに美味しかったんだ」


~END~

あとがき
厨二病少女、14歳の何気ない日常。
ふと思いついたから書いてみた。作成時間は二時間。
とりあえず二人の関係を最重視でわかりやすく書いた。
バランスはとれてると思うけど面白いかなー?うーん。