オススメのゼリーを教えて!

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子供の頃ウチは引く程貧乏で、
放課後に駄菓子屋に誘われても「オレ⤵(語尾下げる。お国訛りです)『うまい棒』より山女や木苺が好きだから」と断って居りました。

あの頃誘ってくださった皆さん、申し訳ない!
お察しだったとは思いますが「お金が無くてムリだった」のです‼

川で山女や鯎を採ったり、山で野生の果実や木の実、山菜やキノコを採ったりオヤツにして居りましたのは、それが好きだからと云うより、オヤツがてら、遊びがてらに「夕食の材料を採ってたから」なのです。

※出典「図説 ふるさと青森の歴史(総括編) /青森県文化財保護協会」

折角駄菓子のヨーグルトを分けて呉れたつっちー君、あんずボー呉れようとしたユキオ君。
「そんな酸っぺぇモン食えっかよ!」
と、ちょっと、イヤ、随分な返しをして御免なさいね。



本当は毒キノコなんかより「モロッコヨーグル」が大好きです!毒キノコなんかより「あんずボー」を凍らせたのをちゅうちゅう、しゃりしゃり食べるのが大好きです‼
……「川魚の塩焼きと焼き毒キノコ~醤油と煎り味噌と共に~」はオヤツには成りません。イキって食べるモンじゃありませんね。死ぬかと思いました。(つっちー君、あの時はチリ紙を分けて呉れて助かりました。ありがとう)

7~8歳の子の精一杯の虚勢、リアル酸っぱいブドウとは言え、酷い言い草でした。
その後もずっと付き合って呉れてありがとうございました。

「うまい棒」を食べながら「お前ぇ、戦後みてぇだな!」と爆笑して呉れた涼君、私は君の事がハンケティーフ噛み千切る程憎いです。
お陰で、「戦後」って云う、ポップさの微塵も無いあだ名で呼ばれ続けました。

でも、
縄文ピープル並みの狩猟採集生活を送る私に「どんぐりイーター」とか「縄文クソ野郎」とか付け無かったのは君の一片の(極悪人が最期の瞬間、タンポポを踏ま無かった程度の)優しさでしたね、君にはきっとカンダタ並みの待遇がある事でしょう。ありがとう。



さて、
「ゼリーの話」をしようじゃないですか(マイケル-サンデル風)

そんな訳で超貧乏だった我が家でしたが、お陰で大抵の物は自分で作れる様に成りました。

今だったら「モロッコヨーグル」だって「ラムネ」だって作れます。
泉下のつっちー君(※リンク先につっちー君の記事があります)にも食べさせてあげたい位です。
(知ってるかい、つっちー君。ショートニングと砂糖とクエン酸で「モロッコヨーグルみたいの」、片栗粉と砂糖とクエン酸で「クッピーラムネみたいの」が作れるんですぜ?)

初めて自分で作ったのは「ゼリー」でした。(ここでタイトル回収)

時々姉に手を引かれて買い出しに出るのですが、そこには同じ歳位の子供連れが「あれ買ってー」とか「ウフフ、一個だけよ」なんてやって居りまして、

ここでも7~8歳の子の精一杯の虚勢を張って、羨ましくなんて無いんだからね!とばかりに、
「バッカみてぇ、ガキじゃぁあんめーし」
(空〔うつ〕けた事を仰せですね、頑是無い子供でもあるまいに。の武州訛りです)なんて言って居りました所、
私の目線に合わせてしゃがんだ姉がちょっと笑いながら、
「鳥ちゃん、一個だけ好きな物買ってあげる」
と言ってくださいました。

私はちょっとティアーをドロップしそうになりながら、数十分悩んでおずおずと姉に差し出したのが、


「ハウスゼリエース」でした。

鼻の孔がふがふが言っちゃいそうになりながら「おねいちゃん、カップゼリー一個分の値段で、みんなで食べられるよ!」と告げました。
姉もティアーをドロップしそうに成りながら、ぎゅうっと抱き締めて呉れたのが嬉しかったです。

ウチは、不景気と母が従業員全員のボーナスを持ち逃げしたのが原因で、不渡り出してド貧乏に成る以前には結構羽振りの好い地元企業で、折々デパートの外商さんが来て呉れて、お中元やお歳暮のシーズンには彼等が持参する高級デザートのカタログを見るのが好きでした。
色取り取りの「ゼリー」は、エメラルド色のメロン味、ルビー色のイチゴ味、アメジスト色のブドウ味とまるで宝石の様で、うっとりしながら眺めたものです。
大きな果実の入った物、高級果実店の物、綺麗な切子の器に入った物。子供時代から今に至る迄数々の高級ゼリーを頂いて参りました。

でも、初めて私が作った(お湯入れて混ぜて、型に入れて冷やしただけですが)ゼリエースが私に取って一番のゼリーです。

匙を当てた時の凹みに映る丸い光沢や感触、掬い取った時のむっちりと千切れる感触、冷ややかな小片が前歯でぷっつり分かれると同時に口中で広がる芳香、匙の上でふるふる震える透明な一片の向こうに透かして見えた、エメラルド色の家族の笑顔。

家族で笑い合って食べたあの味に敵う物は、世界の何処にもございませんでした。
(あ、勿論高級ゼリーも好きですよ?でも、貧乏舌ですので)





記事の英語タイトル " Jelly of steel"(鋼鉄のゼリー)は、鳥篭少年が更に材料費を安く上げようとして寒天ゼリーにチャレンジして、融かした寒天の配合比を間違え、鋼鉄並みの硬さの物を作った事を書こうとした名残です。

でも、
「ハウスゼリエースは我が家の鉄板デザート!!」的な意味にも通じるかしら、とそのままに致しました。