アメリカのトランプ大統領が出した、
7か国からの入国禁止は、連邦地裁により、
一時停止となった。
この措置が、全政界を揺るがせたのは、いうまでもないだろう。
就任前後から、通商を中心にあらゆる主張を繰り返し、
各国だけでなく企業にも、従わせる姿勢を見せ、
実際その通りになっている部分もある。
一方で外交面では、入国禁止の一時停止や、
首脳会談での破断など、思うように行っていないようだ。
防衛面ではどうか。
来日中の、マティス国防長官は、
「尖閣諸島は日米安保の適用範囲だ。」と言い切った。
中国に対しては、これまで通りの姿勢でいくということだ。
経済面ではもっと厳しく、
「中国製品に45%の関税をかける」とまで言っている。
そして、習近平国家主席との電話会談は、いまだ実現していない。
トランプ当選直後は、対中姿勢はオバマ政権に比べ、
軟化する可能性もささやかれていたが、
台湾の蔡英文総統と電話会談を行うなど、
中国に対しては、厳しい態度をとり続けている。
オバマ政権の時は、ややもすれば、米国をしのぐかもしれない、
と思わせるほど、対外進出を図ってきたが、
トランプ氏の「ツイッター外交」は、
中国の強硬姿勢が、霞んでしまうほどの強烈ぶりだ。
そしてそれに対して強硬な反対ができない中国の姿勢から、
まだまだアメリカと肩を並べるには程遠い、ことが露呈した。
ツイッターの一言だけで、大手企業トップが米国に投資する
方針を表明するなど、これまでには考えられなかったことだ。
「偉大なアメリカを再び」をスローガンに当選したトランプ氏だが、
すでに「偉大である」ことを、これでもか、と見せつけている。
「尖閣が日米安保の適用範囲である」と明言したことで、
とりあえずは安心できると言えるが、
通商では全く違う姿を見せるだろう。
トランプ氏の頭の中は、80年代だという指摘もある。
であれば、安保では強固な関係を築いた一方、
通商では日本をたたきまくったレーガン政権の時を
参考にするのが、良いのかもしれない。