安倍首相が、消費税率引き上げを2年半先延ばしにする考えを表明した。
2年半となると、安倍首相の自民党総裁の任期満了後だ。
ということは、事実上の引き上げ凍結となる。
つまりは、2012年の3党合意を反故することと同じだ。
もっとも、3党合意の当事者を引き継いでる民進党も、
税率引き上げの先送りを主張しており、
合意自体、中身が変わってしまったことになる。
確かに過去2回の消費税率引き上げは、
いずれも消費を大きく落ち込ませた。
しかし引き上げは、社会保障の内容を低下させる。
これ以上の低下には待ったをかけられない。
なぜ消費を大きく落ち込ませるのか。
それは、率も大きく、不定期実施の上その時期も先送りを重ねたからだ。
これなら景気を理由を先送りしやすくなってしまう。
ならば最初から長期的にスケジュールを決めて、
定期かつ自動的に徐々に段階引き上げをすると決めておけば、
「上がるのが継続的」になることから、消費の落ち込みも緩和される。
一番国民が諦めやすいのは、例えば
「1年に1回1%ずつ挙げて、一定率に達したらになったら次を考える。」
とすることだ。
毎年上がると分かっていれば、それも小幅なら、
「もう仕方がない」となり、駆け込み需要と反動も緩和されるだろう。
なにより、スケジュールが組まれていれば、企業も見通しを立てやすい。
消費が落ち込めば景気が悪くなる。
景気が悪くなれば、巡り巡って出生率が下がる。
出生率が下げれば高齢化が早く進展し、
社会保障の財源がますます乏しくなる。
この悪循環を断ち切るためにも、「痛税感の緩和」は避けられない。
与野党は、50年後を見据えた議論をしてほしい。
みんなで決めれば、怖くない。
もちろん、消費税だけでは足りない。
所得の再分配も必要だ。
ただこのことは今週のテーマではないので、次回に譲りたい。