Column189.核実験から見えてきた、暴君の真の姿。 | 打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

テレビ局ディレクター、アナウンサー、国家資格予備校講師、W杯ボランティア、本書き、日雇派遣、不動産飛込営業、コールセンターマネージャ、ITベンチャー人事総務課長という多彩な経験から多角的な独自視点で、今起きているニュースの深層を、徹底的に好き勝手に斬ります。

北朝鮮が、水爆実験を行い成功したと、
朝鮮中央放送を通じて公表した。


日本や韓国で観測された地表の揺れから、
水爆ほどの規模ではないことから、
従来より強い規模の原爆であると推測されている。


それでも北朝鮮は水爆と言い張っている。


韓国はもちろんのこと、日米、中国、
そしてイギリスなど欧州を含む
世界各国から非難の的となっている。


特に中国は、報道官がいつもより
声が上ずり、表情もこわばっており、
その怒りが大きいことをうかがわせる。
中国国内世論も、総じて北朝鮮に厳しい。


その一方で、国連を舞台に制裁が検討されているが、
中国が体制崩壊の混乱が自国に及ぶこと恐れ
躊躇している以上、実効性は乏しい。


北朝鮮の目的は、従来通り、
アメリカに、北朝鮮の体制保障である。


その方法として、現在休戦協定である朝鮮戦争を、
平和条約に変える、つまり国交を結ぶことである。


国交を結ぶということは国家承認、
すなわち体制保障なのだ。


ここにきてオバマ政権も、様子見の姿勢を国内で批判され、
強い姿勢で臨まざるを得なくなった。
国内世論に押されるのは、中国でも時間の問題だ。


北朝鮮は、それを全て分かっていて、実験を強行した。
周到に準備し、サウジアラビアがイランと国交を断絶し、
米国の指導力が効きにくくなったという印象を
国際社会が持った直後に、追い打ちをかけた。


しかもアメリカも事前に察知することができなかった。
北朝鮮にとっては、狙い通りの反応だ。


ここまで書いて非常に不思議に感じることがある。


これまで北朝鮮では、金第一書記が側近を100人以上処刑し、
有能な幹部が周囲からいなくなり、
統治が機能していない、と伝わっていた。


統治が機能していないなら、ここまで周到に準備できただろうか。


筆者はその始まりとも言える叔父の張成沢氏の処刑から、
実は虚偽ではないか、と指摘していた。
http://ameblo.jp/depthsofnews/entry-11728991594.html  


その際は「一見滑稽かもしれないが、今後北朝鮮が
強硬一辺倒か硬軟使い分けられているか」だポイントとした。


強硬一辺倒のように見えて、昨年の韓国との紛争では、
すぐさま和解にもっていっている上、対中関係では、
先月、モランボン楽団派遣した上で手のひら返しで帰国させた。


若くして国家のトップになった金第一書記に、
内外に恐怖のイメージを植え付けるために、
暴君のような演出をし、その裏で、
有能な幹部がしっかり統治しているのではないのだろうか。


2年前に書いた「一見滑稽」な説が、
自分で指摘して置いて何だが、まさかとは思うが、
実は的を射ているのかもしれない。