今週は、先日発表された2013年第3四半期GDPより、
この話題を取り上げます。
内閣府が発表した、今年7-9月の国際総生産は、
前期と比べ、年率換算で1.9%と、6四半期連続で増加した。
ただ、その伸びは鈍化している。
また、肝心の個人消費は、0.1%と、低い数字になった。
一方、大型の公共投資の押し上げが、成長に寄与している。
つまり、消費者ベースで考えれば、ほとんど成長していないことになる。
個人消費を伸ばすには、やはり、賃金の伸びが必要であるとして、
安倍首相は、財界に、給与の引き上げを求めている。
ここをなんとかしないと、アベノミクスの限界といわれてしまうからだ。
一部の企業ではそれに呼応する動きもあるが、
正社員に限った動きばかりで、非正規雇用の底上げには、
残念ながらなっていない。
ならば、全体の給与を押し上げればよいのか?
もちろん、それに越したことはない。
しかし、それでは企業の体力を奪ってしまう。
賃上げを推し進める政策に、給与増加によって、
法人税の少し少なくするという施策はあるが、利用している企業は少ない。
支出が大幅に増えてそのリターンが少なければ、
やらない方が良いに決まっている、当然の経営判断だ。
それに、法人税を払っていない企業の方が多い以上、
効果は極めて限定的だ。
そもそも、賃上げとは何のために行うのか。
先に書いた通り、個人消費を伸ばすためである。
賃上げは、手段の1つにすぎないのである。
賃上げ以外にも方策を探すことが必要だが、そのために
やるべきことは、個人消費が伸びない原因を除去することである。
もちろん、賃金が上がらなければ消費は伸びない。
その施策も必要であろう。(もっと有効的な。)
さて、日本の貯蓄率は、高年齢層を中心に非常に高い。
これが何を意味するのか。
使われないまま相続され、相続した人が高年齢になり、
使わずにまた相続される、この繰り返しになっている、
という見方ができる。
動かない現金は、消費という意味では、存在しないのと同じである。
それでは経済は回らない。
それをどうやって動かすか、相続税の免除基準を下げる、
という施策も出てきてはいるが、一定の効果があっても、
相続という、人生で多くても数回に限られることでは、
日常の消費を押し上げることには、繋がりにくい。
では、なぜ、高年齢層の貯蓄率が高いのか。
よく「老後の資金」という言葉を聞く。
年老いて、働けなくなったら貯金を切り崩して生活する、
そのために、若いうちからためておく、ということである。
生活費だけでなく、介護・医療費もかかってしまう。
その、老後の不安解消のために、貯蓄に励むのである。
ということは、個人消費を抑える原因は、
「老後の不安」ということになる。
これを取り除く施策を打っていくことが、
アベノミクスの限界を打ち破ることに繋がる。
筆者は、経済の専門家ではないので、
如何に掲げる施策は、稚拙なものであるが、
一つの参考としてお読みいただきたい。
●一定年齢以上になったら、過去の保険料の状況にかかわらず、
毎月一定額の年金を支給する。
民主党のかつての案に似ているが、年をとったら、
生活の心配は不要、となれば、貯蓄から消費に回る。
ただ、そのためには、消費税を17%UPしなければならない、
という試算もある。
消費してもらうために、年金を増やすのだから、
シルバーパスなどの優遇は廃止する。
●個人年金の優遇枠を大幅に拡充する。
貯蓄に回すくらいなら、老後に受け取れる年金として預ければ、
(解約しないと引き出せない、という点はあるが)
殖えて戻ってくるだけでなく、老後も安心だ。
消費に回らないではないか、という声もあろうが、
生命保険会社は、殖やす為に、株などの投資を行う。
投資を行うということは、経済が活性化されることになる。
タンス預金にしておくよりは、よっぽど良い。
●労働施策を思いっきり変える。
雇用不安も結局は老後の不安に繋がる。
安心して働ける社会を構築すれば、それだけでも気分が違う。
また、施策を打つ上で重要なのは、セーフティネットの拡充や、
女性、高齢者を就業し約することである。
女性や高齢者が給与を手にできれば、
それだけで消費が増えて、GDPを押し上げる、という試算もある。
具体的な施策は、筆者が、かねてよ
り取り上げているので、下記をご覧いただきたい。
http://ameblo.jp/depthsofnews/entry-11296341466.html
今の社会の仕組みや慣習では、なかなか難しい面もある。
しかし、ここで思い切った施策を打っていかないと、
個人消費を伸ばすのは難しい。
一部の富裕層だけ突出して消費が伸びたところで、
一見、全体の成長率には寄与するように見えるが、
社会全体の景色が良い気持ちは与えない。
景気とは、文字通り、「気」なのだから。
今週もお読みいただき、ありがとうございました。
皆さんは、いかがお感じですか?