きょうは、乱高下する株価や物価から、
国民が、アベノミクスをどうとらえている以下考えます。
ここ2週間、東京証券取引所の日経平均株価が、
1日1000円近くの単位で上下、いわゆる乱高下している。
物価に関しては、円安の影響で、日用品で、
じわり高くなってきている。
筆者の個人的感想で恐縮だが、
毎朝のヨーグルトの値引き幅が小さくなっている気がする。
(もちろん、それ以外のものもそうですが…。)
マンションの販売戸数が5割増えた、とか、
景気の回復を実感する材料もある。
しかし、それはすべてアベノミクスの影響だろうか。
確かに、第一の矢の財政出動、第二の矢の金融緩和で、
心理的影響を与えたところは大きい。
とはいえ、実際に、政策の影響が出てくるのは、
最短でも半年、賃金は2年とも言われている。
今の段階で、期待値だけで、アベノミクスに結果を求めるのは、
逆に筋違いな面も感じる。
(短期的に一部成果を上げている安倍政権は、
特筆に値することでもあるが。)
筆者が、ここ最近の動きで心配しているのは、2つある。
1つは、先々週の小欄で
http://ameblo.jp/depthsofnews/entry-11547437501.html
既得権益がアベノミクスの最大の敵になる恐れを指摘したことだ。
もう1つは、国民が、いまだバブルの良い面だけを忘れず、
短絡的な思考と相俟って、ひょっとしたらと
バブルの再来を願っているかもしれない、ということだ。
株価が上がりだして、書店に並ぶ雑誌の特集は、
如何に金融資産を増やすか、ありていに言えば、
株などの不労所得をいかに増やすかが、急に増えた。
まるで、バブル期を彷彿とさせた。
産業の成長の源泉である、企業に関する特集は、
1つしか見かけていない。
さらに、今回の乱高下で、
「安倍政権崩壊の序曲」などと、はやし立てる動きもある。
あまりに短絡的な見方である。
今回のアベノミクスは、10年先を見越してのことである。
そして、1990年の様なバブル絶頂と崩壊というような乱高下を起こさないように、
新しい産業を地道に育てていこう、という施策である。
1990年のバブルは、国民に過剰な消費をさせただけで終わり、
将来来ると分かっていた社会保障費の増大に手を打たなかっただけでなく、
成長産業になりうる医療・介護、情報産業を育てなかったことだ。
結果、同じ小欄の中でも指摘したが、1990年バブル崩壊後はどうなったか。
富裕層だけがより浮遊になり、中間層全体は沈んでしまった。
そして、失われた5年が10年になり、小泉政権を挟んでも20年になってしまった。
また、これも、事あるごとに小欄で指摘しているが、
バブルの最中は、企業の海外資産買いあさり、
暴力団も絡んだ地上げが横行し、都心の地域社会は崩壊、
物価は高く、学生はむしろ困窮していた。
当時10代で学生だった筆者は、その対照的な姿に、
「大人の乱痴気騒ぎ」を、非常に冷めた目で見ていた。
目の前の楽しみばかりに気を取られ、
社会を停滞させたのが、1990年のバブル崩壊である。
そうさせないためにも、私たち国民の側も、
目の前の動きだけ、浮かれたり絶望するのではなく、
長期的な視点で、アベノミクスを捉えるようにしていきたい。
今週もお読みいただき、ありがとうございました。
皆さんは、バブル再来を願いますか?