Column14.民主に劣らぬ、自民の混乱ぶり | 打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

テレビ局ディレクター、アナウンサー、国家資格予備校講師、W杯ボランティア、本書き、日雇派遣、不動産飛込営業、コールセンターマネージャ、ITベンチャー人事総務課長という多彩な経験から多角的な独自視点で、今起きているニュースの深層を、徹底的に好き勝手に斬ります。

きょうは、政権復帰の可能性が高まってきた、
自民党の、野田政権に対する「問責決議案」への
対応について、書きます。




自民・公明を除く、野党7党の問責決議案が、
過日、自民も含めた賛成で可決された。(公明は棄権)



決議案の一部を抜粋すると、


最近の国会運営では民主党・自由民主党・公明党の
 3党のみで協議をし、合意をすれば一気呵成に
 法案を成立させるということが多数見受けられ、
 議会制民主主義が守られていない。」



つまり、自民党も議会制民主主義を守っていない
と断じているのだ。



そんな自分たちを批判している内容の決議案に、
自民党は賛成してしまったのである。



これには、野党7党が、
「自分たちの決議案でないと賛成しない。」
と譲らず、その7党の協力がなければ、
問責決議できない、という事情が背景にある。



だからと言って、国権の最高機関で、
自分たちの存在基盤で、自己否定をするなど、
主義主張もあったものではない。



問責にこだわらず、徹底討論で
野田政権を追い詰めていく方法もあったはずだ。



問責決議案にこだわったのは、来月一杯で任期が切れる、
谷垣総裁が、解散に追い込めなければ、
総裁再選が厳しくなる背景がある。



しかし、その問責決議案可決までの間、
それに関係なく、総裁選への立候補者が、
複数出て乱立の様相を呈し始めた。



野田政権への対応の是非、世代間対立など、
自民党も、民主党と同様、一枚岩でないことが、
総裁選への動きを通じて、表面化してきている。



今後、ますます混迷の度合いを深めていくのとは対照的に、
まだまだ対立の根は残ってはいるものの、
民主党代表選挙は、野田再選が固まりつつある。



それに、自民党が、三党合意を糾弾する問責決議案に
賛成したことで、民主党に、「自民が三党合意を破棄した。」
と言わせる口実を与えてしまった。



加えて、「近いうち」の衆議院解散の約束も、
同様に反故できることになってしまったことで、
自分たちが握っていた政局の主導権を、
みすみす、民主党に渡してしまった。



党内混乱は、民主党のお家芸だと思われていたが、
自民党がそのお株を奪ってしまった。。



先週の朝日新聞の世論調査で、衆院比例投票先で、
自民党に入れると答えた人が31%と、
民主党の18%を大きく引き離した。



総選挙を行えば、自民党が政権復帰の可能性が
にわかに高まってきている証左だが、
これは、問責決議案可決前の調査である。



この混乱ぶりが、国民の投票行動にどう影響与えるか、
今週末の世論調査の結果が待たれるところだが、
今の自民党が、本当に政権を担えるのか、
疑問を持った方も少なくないだろう。




今回も、長い文章をお読みいただきありがとうございました。
選挙まで、各党の動きをしっかり見て、
一票を投じたいですね。