原作はハリイ・ハリスンの小説『人間がいっぱい』。食料不足により、本物の肉や野菜が高価で、人々はソイレント社から支給される栄養剤のような食物を食べている。特権階級の情婦のことを「家具」という表現をしたり、際どい部分もある。
一見、普通のハードボイルド、刑事ものの映画のような雰囲気である。というのも、服装や建物などソイレント社の食料以外は当時のものとなんら変わらないからだ。
人口増加、格差社会、食料不足というなかなか社会的な題材を扱い、現代社会の予言にも近い内容だ。現代の日本でも、高齢社会、非正規雇用の増加など、もはや他人事ではない話だ。高齢者を安楽死させる施設「ホーム」についても、いよいよリアリティが出てきてしまう。上記の諸問題を解決する一番、合理的な帰結。それが本作のラストに繋がる。皮肉のような、警鐘のような映画。