幻想科学映画館α SF映画大全 -11ページ目


少年型ロボットが、アイデンティティを探し求める映画。アイデンティティというよりは、愛情、特に母親の愛情を得るために、人間になろうと奮起する。全編を通して、童話『ピノキオ』の影響が根底にあるのだろう。

映画の中ではロボットだが、これは現実では、量産化された人間が、自分がコピーではなくて、オリジナル(特別)だと主張し、誰かの愛をもぎ取ろうとする動きに似ている。

自分のコピーを見つける瞬間は、『トイ・ストーリー』におけるバズ・ライトイヤーがオモチャ屋で、自分の量産品を目撃するシーンに近いかもしれない。

「特別さ」というのは一体何処からくるのか。一つ、一つのパーツ、構成要素を解体していけば、やはり皆、同じようなところに行き着く。影響を受けた本や、漫画、アニメ。家庭環境、仕事。友人。映画の中では「特別さ」という幻想を感じることができるからこそ人間だ。というようなことを言っていた。確かに、自分のことを特別だと思えるということは、生物の利点だ。そういう意味では、構造主義的な物の見方は機械的なのかもしれない。

ただ、自分に価値があるという幻想に浸れるのは、相手がいてはじめて成り立つものだと思う。地球で最後の一人になれば、価値を創造することなんて出来ない。受取人がいるからこそ、色々なことは成り立っているのだろうと思う。その辺りは、ファミリー向け映画らしく、ファンタジックな仕上がりとなっている。