今日は3回目の「吸収」です。(7まであるので先は長いですね。)

腸は糖、アミノ酸、脂肪酸などの栄養を吸収します。

栄養は腸から入ってくる
小腸の表面には絨毛と呼ばれる無数の突起があり、さらに拡大すると微絨毛と呼ばれるさらに細かい絨毯のようになっています。
この表面から吸収は行われます。
小腸の長さは6m、表面の面積を平面上に広げると30平方m、バトミントンコートの半分にもなります。
といっても何でも無秩序に吸収するわけではありません。各栄養を吸収するためにはそれぞれ専用の取り入れ口(トランスポーター)があり、
水でさえ専用の取り入れ口があります。

逆に体が必要としない栄養分や異物などは取り込まれず、体外に排出されます。
腸内では食物から栄養を取り入れるために、免疫システムがすべての非自己を排除しないように選別しています。(経口免疫寛容と言う)
腸内細菌がこの選別機能に関与していると言われています。

リーキーガット症候群
腸内細菌が十分に働いていないと、腸は粘膜を正常に保てなくなり、腸粘膜に穴が空いてしまうことがあります。
腸粘膜に穴が空き、腸から食物の分子や腸内細菌などが体内に取り込まれることを「リーキーガット症候群」と言います。
タンパク質などが大きな分子のまま体内に入ると、食物アレルギーの原因になってしまいます。

腸粘膜に穴を開けさせないためには、腸内細菌を増やして丈夫な腸粘膜を作ることです。
「善玉菌」「ちょい悪菌」を問わず、細菌を体内に取り入れ、身の回りの菌とおおらかに接しましょう。

短鎖脂肪酸が多く生産されていると(腸内細菌が生成する)、腸壁から粘液がよく分泌されて荒れた粘膜修復や保護を行います。
抗生物質や食品添加物、化学物質などは腸内細菌や腸粘膜を痛めつけるようなことになります。
大量の飲酒や亜鉛などのミネラル不足も腸粘膜に穴が空きやすくなるので気をつけましょう。

先週に引き続き、腸の7つの働き 1.合成 2.消化 3.吸収 4.排泄 5.解毒 6.浄血 7.免疫
今日は「2.消化」です。

消化を流れに沿って語ると、まず最初は「口から胃まで」です。
炭水化物は口の中で唾液と絡んだときから唾液の消化酵素アミラーゼによって分解され始めます。
肉や大豆等のタンパク質は胃に届いて初めて分解が始まります。
胃液(ペプシン)によって大雑把に分割され、どろどろになって十二指腸へ送られます。
胃は酸性が強いため、食べ物や病原菌などを消毒殺菌する役目もあります。

胃から小腸へ
胃でドロドロになった消化物は十二指腸へ送られます。十二指腸が消化の要です。
ここで膵臓と胆嚢から分泌される消化酵素と胆汁によってさらに細かく分解されます。
脂質はここで初めて分解がスタートします。

次の空腸回腸
ここで最終単位へと分解、消化されます。

腸内細菌と消化
腸には200種、100兆個も腸内細菌が住み着いています。
その中には、人には消化できない食物繊維やオリゴ糖を分解してエネルギー源にしてくれる細菌もいます。
腸内細菌が働きやすく、喜ぶような環境を提供することが必要です。
腸内細菌をだめにする添加物が多いスナック菓子やインスタント食品などは避け、白米やパンなどの取り過ぎも避け、発酵食品や食物繊維を多めに取るようにすれば良いでしょう。

ちなみに、柱などを食べ尽くすシロアリも、木の繊維を消化する酵素は持っていなくて、腸内細菌が消化しているそうです。
また、パンダも笹を消化する酵素は持っていなくて、腸内細菌が消化しているそうです。

小腸を食べ物が通過するには5~8時間かかり、消化の悪い食べ物では10時間かかります。
この小腸の負担を軽くするために「よく噛んで食べること」が重要です。
ゆっくりと30回噛むことで、唾液の分泌量が増え、唾液の中の消化酵素や活性酸素を除去する酵素が出て、老化防止にもなります。
また、よく噛むことで脳の前頭前野と海馬が刺激され記憶力も高まるそうです。

腸には7つの働きがあります。
1.合成 2.消化 3.吸収 4.排泄 5.解毒 6.浄血 7.免疫
です。
一般の人は、ほとんど2と3しか認識していなかったと思います。
今日は「1.合成」について少し書いてみます。

腸内には腸内細菌がいていろいろな働きをしています。
腸と腸内細菌が協力して、酵素やビタミンやホルモンなどを作り出しています。

まずは酵素ですが、その代表的なものが消化酵素です。
人の酵素では分解できない食物繊維も腸内細菌の中には分解できる酵素を持っているものがいるので、その力を借りて多少は分解します。
食品から取る酵素は加熱や胃酸で壊れてしまって単なる栄養素になってしまいますが、腸内細菌が作る酵素は酵素として利用できます。

お酒やたばこ、過食、医薬品の使用、紫外線、電磁波、レントゲン、ストレスなど活性酸素を誘導するものは酵素を減らすので注意しましょう。

他の項目も次回以降に書いていくのでお楽しみに。

昨日真っ赤なバラを飾りました。

だんだんクリスマスの装飾の準備をして、院内を飾り付けていきたいと思います。

プレジデントで「信じてはいけない健康診断、お金がムダになる最新検査」という記事を読みました。
「健診」と称して50種類以上の検査をするのは日本ぐらいのものだそうです。

大腸がんや乳がんの検査をするために「便潜血検査」」や「マンモグラフィー」という単一の検査をするものは「検診」と言います。

もともと正常値というのは正規分布の中心の95%なので、5%は外れる人がいます。
検査項目が50項目もあると、すべてに正常と診断される人は7.69%に減ってしまいます。

健診の本来の意味は、「生活習慣病も含めて結果をしっかり評価して、生活改善指導などの介入をすることで、将来的な病気の予防の可能性を高めることにある」そうです。
でも、実際には健診を受けても結果の数値の高低に一喜一憂して終わりにする人が多いのですが、それでは意味がありません。
「本当は生活習慣病に詳しい内科の信頼できる医師にデータを渡して、その内容について説明を受け、必要なら指導を受けることが将来の大きな病気の予防につながる」のです。

例えば高血圧ですが、年齢が上がると血圧が上がるのは普通のことで、一律の判定値では実情に合っていません。
薬を使わずに生活習慣の改善に取り組めば、進行を予防することが可能なのに、高齢者が正常にもかかわらず高血圧と診断されてしまい、降圧剤を処方されることがあります。そうすると、血流が悪くなって血栓ができやすくなり、脳梗塞を起こしやすくなるそうです。

がんでも、必ずしも早期発見早期治療が良いわけでもなく、進行の遅いがんや、治療をしなくても一生涯症状をしめさなかったはずのがんでも診断されて手術するのは過剰診断といえるのではないでしょうか。
からだに異常を感じたらすぐに受診すれば、病気が進行しない段階で発見できる可能性が高いので、それも早期診断早期治療といえるのではないでしょうか。

健診ではないけれど、先だっての東日本大震災の原発事故で、福島の子供たちの甲状腺検査が行われているのは過剰診断だと訴える科学者が多くいます。
甲状腺がんは進行が遅いがんで、発見率も他の調べていない市町村と実は大差ないくらいだと想定できるのに、
原発の影響だと言って早期に手術をさせ、甲状腺がないことにより生涯甲状腺ホルモンの投与を受けなくてはならなくなるのは、過剰診断による実害だと言われています。