今日は
則岡孝子監修「栄養学 体を守る大切な話」より
からほんの一部を紹介いたします。
食の素朴な疑問とあの不安に答える
1.クエン酸に疲労回復効果があるのか、ないのか
1990年代にクエン酸が疲労回復効果があるという話が広まり、「クエン酸入り」がベストセラーとなるなど社会現象となりました。
その後、国の研究機関が「人への有効性には十分なデータが見当たらない」と発表したことによりマスコミにたたかれ、一時クエン酸が窮地に陥ったけれど、ユーザーに「クエン酸は効く」という実感があったため、クエン酸は売れ続けました。その後様々な研究機関により「クエン酸は疲労回復に効果がある」という実験結果が示されています。
その他血液をサラサラにする効果、ミネラルやビタミンを吸収しやすくする効果、ダイエット効果、美肌効果、髪質をしなやかにする効果など、様々な効果がうたわれて今もたくさん売られています。
2.”一晩寝かせたカレー”が原因の食中毒はどうして起こる?
食中毒の原因になる「ウェルシュ菌」は嫌気性菌で鍋底で増殖し、冷めていく途中の30度~40度が最適な温度です。
ちょうど一晩寝かせる間がそういう環境になるので繁殖し、その後加熱されても「芽胞」と呼ばれる固い殻に包まれて生き残ります。
食中毒を防いで2日目のカレーを食べるなら、鍋を放置しないで、氷水で素早く冷やし、小分け容器に入れて冷蔵庫で保管するのがいいでしょう。
3,サルモネラ菌による卵の食中毒はなぜ起こる
食中毒と言えば、卵の殻についた「サルモネラ菌」による食中毒がよく知られています。
なぜ卵の殻にサルモネラ菌がつくのかというと、親鳥が感染していると産卵した卵が汚染されてしまうのです。
日本では厳しい安全基準をクリアした卵だけが流通しているので安全性は高いのですが、それでも1~3万個に1個の割合で汚染されていることがあります。
サルモネラ菌は75度で死滅するので、しっかり加熱調理して、殻を触った後は手を洗うことが重要です。
菌を他の食品に移さないために、冷蔵庫にしまう場合は、パックのまましまうことがお勧めです。