各地域の歯科医師会では 

"地域のために”  という建前で

日曜・祝日・年末年始・ゴールデンウィーク・お盆等々の

特別な休みが続く期間も含め

『休日診療』をやっています

しかし 会の御歴々は 

折角の日曜日を犠牲にしてまで働けるかよ⁉

と敬遠しがちなので 

『当番医』は いきおい 若手で経験値の高くない 

やる気があるのかないのか分からないような歯科医に 

お鉢が回って来ることになります

 

23:45 携帯電話が鳴りました

「はい 三ノ輪歯科です」

「あっ すいません 夜分遅くにぃ」

「はい 構いませんよ」

「あのぉ 歯ぁ ですねぇ 非常に ちょっとぉ 痛みましてぇ」

「はい」

「あのぉ 宜しければぁ ちょっと診て頂ければぁ…」

「はい いいですよ やりましょう 

直ぐにお出で下さい どこからお出でになるの?」

「家は 両国ぅ あたりなんですけどもぉ」

「分かりました 着いたらもう一度電話下さい」

 

そして 30分後 来院しました

症状があるのは 右上5番 

打診痛があるので明らかでした

「あっ 被せ物取ってありますねぇ」

「ええ 今日 日曜だったんで… 

当番医だった歯医者さんに行ったんですけどもぉ…」

「なるほど」

「ええ 被せ物を取って 薬をもらって終わりました」

「そうなのぉ?」

「これはね (歯の)根の先端で圧力が上がってるんで

圧を抜くために 根の先を開けないとダメなんですよ」

そして 金属の土台(メタルコア)周囲を削り

(ここで写真を撮りました)

メタルコアを取り除こうとしましたが 痛がるので

麻酔を一本打ち 何とか外し (2根あったうちの)

頬側根を開放すると 膿が溢れて来ました

「本当は ココまでやってくんないと

痛み取れないんですよねぇ…」

「あ そうなんですかぁ」

「ええ 今日行った歯医者もいい加減だけど

この治療をやった歯医者の治療に問題があったわけ」

「随分前なんですけど…」

「うん でしょうね 恐らく数年前ですよね?」

「ええ 3年くらいでしょうか…」

「そかぁ じゃあ 今までもヘンな感じ会ったでしょ? 

特に疲れた時とか…」

「あっ そうですね でも直ぐに治っちゃって…」

「うんうん 治ったわけじゃないですけどもね

まぁ 慢性の歯根膜炎と云ってね 

治療しないと繰り返すんですよ

まぁ 何度か『治療せよ』のサインがあったのに

それを無視し続けてきたんで ドッカ~ンと来ちゃった

ってわけです 火山と一緒ね ほら いきなり来ないでしょ

予震が何回かあってから デカいのが来る」

「あぁ…」

「これで痛みは無くなると思いますよ

もう一つの根っこはやらなくていいかな… と思います

まぁ 痛みを繰り返すようなら また電話下さい」

 

例によって 根管を開けっ放しの状態で終了しました