一昨日3月4日 21:45

携帯電話が鳴りました

「はい」

「あっ もしもしぃ

台東区の三ノ輪歯科さんの

時間外の電話番号で宜しかったですか?」

「はい そうです」

「こちら東京消防庁大森救急隊の山田と申しますぅ」

「はい お世話様です」

「お世話になっておりますぅ

只今ですねぇ 大田区ぅに出動してましてですねぇ 

33歳の男性の方がぁ 右奥のぉ大臼歯のぉ 

痛みがあるぅ ということで緊急要請がありましてぇ…」

「了解です 直ぐやりましょう」

「あっ ホントですかぁ⁉」

「はい いいですよ 電話するように伝えて下さい」

「えっ 本人からですか?」

「はい そうですよ 皆さん 自力で来ますから」

「自力でぇ… ですか?」

「ええ そうですよ」

「『本人から電話するように』ってことですか?」

「あのぉ… 救急車で運ぶ ってことですか?」

「ええ 今んとこは その予定なんですけれどもぉ 

ご本人に連絡してぇ ご本人に行って頂くかたちぃ…」

「そうですよ あのねぇ 断った方がいいですよ 

たかが歯の痛みですからぁ みんな自力で来ますよぉ 

ほぼ毎晩急患ありますけどね」

「そうですよねぇ」

「ええ そうですよ 

でも それはもう そちらの判断ですから 

ぼくの方はどちらでも結構ですけれどもぉ」

「ええ…」

「とにかくぅ お出でになれば直ぐに診ますから」

「あ 分かりました 

それじゃあ ご本人に説明致しますから」

「はい」

「じゃあ 一旦失礼致しますぅ」

 

そして 7分後 

33歳の男 本人から電話が来ました