10月2日 日曜日 朝8:00

新患で来院したのは野〇さん(53歳)でした

 

野〇さんが書いた問診表を見ながら

「右奥の上下の歯が痛いんですね?」

「はい そうなんです

いつも通ってる歯医者さんがあるんですが

今日はお休みだったので… お世話になります」

「あぁ それは構いませんが…今も痛いんですね?」

「いいえ 朝起きたら痛かったので

痛み止めを飲みましたので 今は痛くないです」

「痛くないんですかぁ… 痛いと有難いんですけどねぇ」

「そうなんですか?」

「ええ 一時(いちどき)に

2本の歯が痛くなることは殆んどありませんからねぇ

どちらが原因なのか迷った時には

片方だけ注射を打つんですよ

そして痛みが止まれば その歯が原因歯でしすからね」

「あぁ そうですねぇ… じゃあ 痛み止めを飲まない方がよかったんですね?」

「ええ ボクの方はね その方がありがたいですね」

「『何時でも電話していい』ってホームページに書いてありましたけど…」

「そうそう 読んだのなら電話してきて欲しかったねぇ」

「でも 余り早い時間だとご迷惑かな… と思ったので」

「あぁ ゼンゼンOKですよ

恐らくねぇ 上が痛い歯なんじゃないかと思いますよ」

「そうですか?」

「ええ 歯根周囲に黒く見える帯があるんですよ

これは『歯根膜腔の拡大』と言いましてね

歯髄に炎症があることを示してるんです

それからね この金属の下に詰め物があるんですよ

この歯の治療したのは2年以内でしょ?」

「ついこの間です まだ半年も経っていません」

「4月くらいですか?」

「はい そうですね」

「まったく痛みはありませんか? いま」

「ええ 痛みはないんですが… 変な感じはあります」

「じゃあ とりあえず 上の歯に麻酔を打ってみましょう」

と言って6歳臼歯の歯根膜数か所に

歯根膜注射を打って数分後

「どうでしょう? 変わりました?」

「ええ 変な感じがなくなってきました」

「じゃあ これで間違いないと思います

4月にやった6歳臼歯の治療に問題がありますね」

 

レジン充填が原因です

例によって 

『レジンの歯髄為害性』を説明した紙を手渡して

「原因はココに書いてありますから

あとでよく読んで下さい 

今日は神経を取って終わりですからね」

 

金属を外すと 

『裏層』することなしにビッシリとレジンが充填されていました

レジンを取って 根管を探って行くと 3根ともに狭窄していました

コンポジットレジンの発する残留モノマーを浸透させまいとして

根管が段々と狭くなって行くのです

3根管をすべて開けて(根尖まで突き抜けさせて)

根管内に薬を詰めて終了しました

 

本当に 『裏層』することなしに

コンポジットレジンを充填する歯科医が多いんです

以前から 私のブログを読んでらっしゃる方はご存じですが

歯科医がどんな治療をするのかあらかじめ尋ねて下さい

『コンポジットレジン充填をする』と言われたら

必ず裏層をして下さい!!!

と叫んで下さい

そして歯科医が怒り出したら 

お金を支払わずに「もう結構です!」と言って逃げましょう

まともな歯科医だったら

『おー よく知ってるねぇ』 と言いながら

説明したがる歯科医ならば安心して治療を受けて下さい