今回は、いつも歯医者さんでお世話になっている、歯科衛生士さんの実態について調査してみました。
イメージとしては歯科医院で働いているということもあって、お給料や待遇がよさそうに思いませんか?
実際に調べてみると、働いている方のほとんどが女性のため、転職や離職の理由が男性とは異なる点があります。
しかし共通しているのはやはり、人間関係にあるようです。
働く場所も歯科医院という狭い環境では、限られた人数の中でうまく立ち回れないと精神的にキツイのは言うまでもありません。
それでも診療後に患者さんが笑顔になってくれることが、やりがいですという方も多くいらっしゃいます。
そんな歯医者さんでの知られざる苦労を、日本歯科衛生士会の報告書を元に原因を探っていきたいと思います。
それではさっそく見ていきましょう!
歯科衛生士さんの転職回数とその理由
転職回数
日本歯科衛生士会「歯科衛生士の勤務実態調査報告書」(2020年3月)のデータによると、歯科衛生士全体のうち転職経験がないのは22.2%となっており、約8割の方が「転職経験がある」と回答しています。
日本歯科衛生士会「歯科衛生士の勤務実態調査 報告書(令和2年度)
- 転職をしたことがない:22.2%
- 1回ある:21.4%
- 2回ある:17.8%
- 3回ある:17.6%
- 4回以上ある:19.6%
最新である令和2年のデータによると、このような結果となっています。
実際に転職をした方は約8割となっていますが、ここから更に転職または勤務先を替えたいと思っている歯科衛生士さんの心境についても回答された結果が出ています。
日本歯科衛生士会「歯科衛生士の勤務実態調査 報告書(令和2年度)
- 転職または現在の勤務先を替えたいと考えたことがない:35.3%
- 現在考えている:17.2%
- 考えたことがある:45.9%
この結果から、約6割の方が「転職または現在の勤務先を替えたいと考えている」ことが見て取れます。
サラリーマンとは違って、資格を持って手に職をつけたような「士業」は転職が多い傾向にあるのかもしれません。
それでは次に、転職をする理由について見てみましょう。
転職の理由
日本歯科衛生士会「歯科衛生士の勤務実態調査 報告書(令和2年度)
以下順位順
- 結婚:29.3%
- 経営者との人間関係:29.0%
- 出産・育児:28.7%
- 給与・待遇の面:22.3%
- 仕事内容:22.0%
- 勤務形態・勤務時間:19.5%
- 仕事内容のレベルアップのため:15.9%
大きく分けると、1位が結婚・出産、2位が経営者との人間関係、3位が給与・仕事内容といった結果になります。
やはり働く方の多くが女性のため、結婚や出産といった男性とは違ったきっかけが1位となっているようです。
次に多いのは、経営者との人間関係。
常日ごろマンツーマンでタッグを組まなければならない歯科医院の先生とは、うまくいかなければやりにくいのはもちろんのこと。
特にうまくいかない原因となっているのは、院長先生との考え方の違いにもあるそうです。
その他には「お局様」や「同僚からの悪口」も原因の一つだとか。
男の世界は社内政治があったりと大変ですが、女の世界は見えないところで更にドロドロしていて怖そうですね・・・
このあたりが嫌で歯科技工士になったという同期の女の子がいたくらいです。
その次の給与・仕事内容の面ですが、厚生労働省のデータで歯科衛生士さんの平均年収を見ると、「約350万円」ほどとなっています。
僕の知っている方の場合、だいだいいつも朝8時から夜の20時までが勤務時間で、その間の休憩時間が1時間半~2時間あってのこの年収ということですので、そんなに悪くはないように思うのですが、不満爆発の原因にあるのは同位にも上がっている「仕事内容」にあるのでしょう。
歯科技工士のように一人で黙々とやり続けるのではなく、歯科医院の先生という相手があっての仕事では緊張の度合いが違いますからね。
この辺りが、結婚・出産を抜きにしても転職の原因となる「人間関係」と「給与・仕事内容」に直結してくるのではないかと推測できます。
まとめ
- 最低でも1回以上転職したことのある方は全体の約8割
- その多くは「結婚・出産」次いで「人間関係」、「給与・仕事内容」
- 平均年収は約350万円ほど
転職率が多いといっても歯科技工士のように、長時間労働・低賃金のため嫌になって辞めるといったことが原因ではないようですが、人間関係が原因の一つとなっているのはどこの業界も似ていると感じました。
ただ辞めて次の歯科医院へと転職する場合、歯科衛生士さんの求人は比較的多いので、食うに困らないといった点も転職が多いのかなとも思います。
平均年収については、歯科技工士とそんなに変わらないのだなと驚きましたが、労働時間が歯科技工士よりは短いことからまだ条件としてはいいのではないでしょうか。
今後も、歯科衛生士さんの資格を活かした他業種への転職にはどういったものがあるのかなど、色々と調べていきたいと思います。
では、また。
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