女性歯科技工士の将来性は?結婚や出産後も稼ぎ続けられるのか? | dental-techniqueのブログ

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元歯科技工士が自らの経験を踏まえて、歯科関係のお話を綴っています。

みなさんこんにちは。今回は女性歯科技工士の将来性について、かつて15年ほど歯科技工士として働いていた僕が正直な感想をのべていきたいと思います。

 

  1. 男性歯科技工士や歯科衛生士との給料の差
  2. 結婚・出産後の復職
  3. そもそも女性でありながら歯科技工士になるべきか
 
この三点から考えても将来的に不安を抱えている方も多いのではないでしょうか?
 
僕自身、歯科技工の学生時代に、同級生の女の子に対して「どうして衛生士じゃなくて歯科技工士になったの?」と聞いたことがあります。
 
その答えは後に語っていきますが、思い描いた理想と現実は違うもの・・・
 
これから僕が話すことは今から約10年前のことではありますが、状況は今でもさほど変わらず、どうしようかと迷っている方にとっては役に立つことでしょう。
 

 

給料だけで見るならどんぐりの背比べ

 

賃金構造基本統計調査によると、2019年での30代歯科技工士と歯科衛生士の給料は、
歯科技工士が約380万円であるのに対し、歯科衛生士が約370万円とそれほど変わりはありません。
 
が、しかし。
 
超過実労働時間数(要は残業時間)を見ると、歯科衛生士が「6」であるのに対し、歯科技工士は「15」となっています。
 
倍どころか2.5倍ですよ!
 
このあたりが歯科技工士は長時間労働だと言われるゆえんですね。
(しかも残業代がすべてつくとは限らないんです・・・)
 
ちなみに、歯科技工士において男性と女性での給料の差は特にありません。
 
性別での差ではなく、その人がいかに単価の高いものを作れるかどうかで変わってきます。
 
会社に対しての貢献度で変わってくるのはどこの会社でも一緒でしょう。
 
 

 

結婚後の復職は条件次第

 

結婚後に復職できるかどうかは、個人的な歯科医院か技工所(技工士だけが集まっているラボ)に勤めるか又は勤めていたかで変わってきます。

 

歯科医院を希望する場合は定員も少なく、求人自体も少ないので難しいかもしれません。

 

もし勤めていた歯科医院を再度希望するなら、その旨を伝えての一時退職とすればいいのかもしれませんが、その間をどうするのかなどは当然院長が決めることなので、復職できるかは院長次第ということになります。

 

次に技工所の場合

 

こちらは、とにかく忙しいですからね。

 

残業は当たり前というかなり過酷な労働条件の中に、復職するのはあまりおすすめできません。

 

単純作業ではなく、個人が責任をもって最後まで仕上げるのが歯科技工という仕事の基本なので、時間だからといって途中で帰られても誰かがその仕事を引き継がなくてはならないので、はっきり言って迷惑をかけることになってしまいます。

 

大手の技工所であれば、条件次第では戻ってきている人も中にはいますが、ほとんどの方が結婚や出産を機に辞めているように思います。

 

 

 

女性歯科技工士の魅力ってなに?

 

 

「どうして衛生士ではなく、歯科技工士になったの?」

 

この問いに対して、同じ歯科技工士である何人かの女の子にこう言われました。

 

「女だらけの人間関係が嫌だから」

 

ドロドロした人間関係が嫌なんですって!

 

男にはわからない世界なのかもしれません。(でも想像はつくよ?)

 

しかしモノ作りの楽しさや、思いどうりに製作物が完成したときの達成感は男女問わずに共通しているものと思います。

 

そして何よりも患者さんの喜ぶ顔が見たい、自分の作ったものが人の役に立っているんだと思うことが「やりがい」につながるんです!

 

ただ、これらのことを軽く払拭するほどの長時間労働・低賃金が覆いかぶさってきます・・・

 

特に冬は石膏の扱いによって、手がひび割れてボロボロになるんですよね。

 

よく歯科技工士の女の子がこう言っていました。

 

「これはもう女の手じゃない」と。

 

せっかくのやりがいも、好きだからという理由だけで続けるのは難しいのかもしれません。

 

 

 

まとめ

 

これまでにあまりいい話ができなくてごめんなさい。

 

しかしこれが離職率80%と言われている歯科技工業界の真実なんです。

 

これから歯科技工士か歯科衛生士かで迷っている人は、歯科衛生士の方を強くおすすめします。

 

もうすでに足を踏み入れてしまった人は、セラミストになるか、CAD/CAMを扱えるように頑張ってください。

 

そうすれば将来的に結婚や出産などで一時的に職場を離れたとしても、復職の際に優遇されることは間違いないでしょう。

 

せっかく高い授業料を払って国家資格まで取ったのですから何かひとつでも、ものにしたいところです。

 

それでは、また。

 

 

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