2024年10月公開作品。

 

1977年に放映された日本のロボットアニメ『超電磁マシーン ボルテスV』をフィリピンで実写化しテレビドラマ化したものを編集して劇場映画として日本公開。

 

私は幼稚園児の頃『超電磁ロボ コン・バトラーV』が好きでよく見ていたのですが、後番組である『超電磁マシーン ボルテスV』はあまり印象に残っていません。

 

その為、思い出補正はほぼ無しでの観賞になります。

 

この先ネタバレ有り、注意!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

なんとも興味深い作品でした。

 

映画の制作者の『ボルテスV』に対する愛に満ちあふれた作品でした。

 

地球に攻めてきた悪い宇宙人を五体合体する正義の巨大ロボット『ボルテスV』が倒す物語です。

 

子供向けのアニメを大人が大まじめに実写化するとこうなるのかと序盤の30分はスクリーンに引き込まれました。

 

お金をかけた『ボルテスV』ごっこを見ている気分でした。

 

所々安っぽい描写はあるものの、全体的にCGの出来は思っていたよりも良く、映画館のスクリーンで観ても見劣りしません。

 

特に『ボルテスV』の合体シーンはフィリピンの歌手が日本語で歌う主題歌の効果もあり盛り上がります。

 

あまり思い入れの無い私でも盛り上がるのですから、ファンの方は大興奮のシーンだと思います。

 

このシーンは現在、YouTubeでも配信されていますので、ご興味のある方はこの動画をご覧になってみてください。

 

 

 

この合体シーンから最初の敵を必殺技で倒すまでのシーンは本当に素晴らしい出来だと思います。

 

ですが、個人的に映画として楽しめたのはここまで。

 

中盤以降はオリジナル通りの展開とはいえ、あまり見ていて楽しい物語ではありませんでした。

 

序盤の30分は良いのですが、中盤以降は30分もあれば終わりそうな単純な話を1時間くらいかけて描いているので、テンポも悪く少々退屈に感じてしまいました。

 

吹き替え版で観ましたので、俳優さんたちの演技に関しては言及できないのですが、アニメ版を意識したコスチュームはちょっと恥ずかしい格好に思えました。

 

アニメをリスペクトするのは良いのですが、アニメに寄せて再現しようとするとこうも不可思議な映像になるのかと興味深く観賞していました。

 

アニメの世界を実写化するのは本当に難しいことだと改めて思わされました。

 

それでも本作は決してつまらない作品ではありません。

 

制作者の熱意が伝わってくる、子供向けの娯楽作だと思います。

 

物語的には日本のアニメ版の本当の序盤の話ですので、本当の戦いはこれからという所で終わります。

 

この映画の続きは2024年11月12日よりTOKYO MXで放映されるそうです。

 

東京にお住まいでご興味のある方はご覧になってみてください。

 

お子様はもちろん、『超電磁マシーン ボルテスV』をお好きだった大きなお友達も楽しめる作品だと思います。