2026年4月公開作品。

 

永久允監督のオリジナル脚本を森七菜さん主演で映画化。

 

1958年に公開された三島由紀夫原作、市川崑監督の同名映画のリメイクではありません。

 

この先ネタバレ有り、注意!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

創価学会のようなカルト宗教を信仰している両親に育てられた森七菜さん演じる主人公・樹里恵は、ある日、カルト宗教の施設から逃亡し新宿の通称・トー横に身を寄せます。

 

そこで様々な境遇から逃れてきた仲間と出会い、実家に残してきた妹を救い出すという目的のため身体を売って金銭を稼ぐのですが……という物語です。

 

トー横で生きるに至るいきさつまでのに感情移入させつつ、そこでの堕落した生き方を魅力的に描かなかったのは評価できます。

 

ハリウッド映画の『ジョーカー』(2019年)のように犯罪者を魅力的に描いて模倣犯を生むような映画でしたら酷評するつもりでしたので、この映画の演出には共感できました。

 

終盤の炎上シーンをきちんと描くだけの予算が無かったのか、安っぽい演出で誤魔化していたのにはガッカリしました。

 

ですが、このシーンをスペクタクルに描いたら、前述した『ジョーカー』のように模倣する者が現れるかもしれませんので、この演出でも仕方ないのかもしれません。

 

それでも映画的な映像で見せて欲しかった気もします。

 

物語自体は退屈することなく観られましたが、観ていて楽しい話ではありませんので息苦しい気持ちになりました。

 

後に歌舞伎町を炎上させることになる吃音の少女という役どころで、森七菜さんの演技力が試されますが体当たりの演技で見事に熱演されていました。

 

……と言いたい所ですが、体当たりの演技というには、思いっきりが足りない部分が多々あり、個人的にはいささか物足りなく感じられました。

 

売春シーンで服を着たまま行為をしているのはあまりにも不自然で興ざめしてしまいます。

 

この映画の演出自体がどこか吹っ切れていない感じで、汚い世界を描いているにもかかわらず、どこか綺麗な感じがあり中途半端に思えたのも勿体ないところ。

 

それでもこの映画で伝えたいことはきちんと伝わってくるので、より多くの人に観てもらえる映画を目指したのであれば、これで仕方ないのかも知れません。

 

個人的にはもっと思い切った描写があれば高く評価できたのですが、それでも心にしっかりと残る映画だと思います。

 

予告篇を観て気になっている方、トー横に興味が有る方、森七菜さんのファンの方は、是非映画館でご覧になってください。