私の地域では2025年1月公開作品(東京などでは2024年12月に公開されました)。

 

統合失調症の姉とその家族の姿を、弟である映画監督の藤野知明さんが撮影したドキュメンタリー映画です。

 

私も統合失調症と診断され障害者手帳を持つ人間ですので、自分の事と照らし合わせながらの観賞となりました。

 

この先ネタバレ有り、注意!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

予想以上に興味深い作品で、101分の上映時間があっという間でした。

 

最後までスクリーンから目が離せない、心から観て良かったと思える出来の良いドキュメンタリー映画でした。

 

冒頭、いきなり統合失調症になった姉の不可解な言動を録音したものが流れ、一気に映画の中に引き込まれました。

 

この映画、構成が上手いと個人的に思いました。

 

意味不明な言動を繰り返す姉ですが、両親は医者には連れて行かず、病状は悪化の一途を辿ります。

 

いきなり誰にも告げずに一人でアメリカへ行って保護されるあたりは、私も国内ですが似たような行動をとりましたので、自分の事と重ねて観ていました。

 

その時の事は下記リンク先のブログにて記していますので、ご興味のある方はお読み下さい(統合失調症状態での執筆ですので不可解な文章があるかもしれません)。

 

 

 

 

この映画の姉はとても優秀な方でしたが、24歳の時に発病しました。

 

その時に一度だけ精神科に連れて行ったのですが、両親が言うにはそこでは正常と診断されたそうで、それ以来何十年も医者に見せなかったのです。

 

本作を撮影した弟は、何度ももう一度精神科へ連れて行くように説得するのですが上手くいかず、どんどん状況は悪化していきます。

 

ついには玄関に鎖で鍵をして閉じ込めるようになりました。

 

この課程は観ていて胸が苦しくなりました。

 

このような状態の姉と長く暮らした影響もあったのでしょうか、やがて母親が認知症になっていき看病ができなくなってようやく両親も精神科へ連れて行くことを決断します。

 

入院生活の後、投薬のおかげもあったのか、退院してきた姉の見違えた姿には感激とともに、どうしてもっと早く医者に連れて行かなかったのかとの可哀想に思えました。

 

ですが、この後にも家族に悲しい出来事が続きます。

 

ここからは是非スクリーンでご覧下さい。

 

統合失調症の姉を描いた作品ですが、同時に家族の物語としても興味深く観ることが出来ました。

 

私の2025年度の映画のベスト3の候補になる作品に早くも出会いました。

 

本当にいい作品でした。

 

この映画が気になっている方は是非ご覧になって下さい。

 

オススメです。