2024年6月公開作品。
佐藤愛子さんのエッセイを、草笛光子さん主演で映画化。
この先ネタバレ有り、注意!!!!!
断筆宣言をした作家・佐藤愛子さん(草笛光子さん)にエッセイを執筆してもらおうと訪れる編集者・吉川(唐沢寿明さん)。
物語はこの二人の交流を描いています。
生きる気力を失っていた佐藤愛子さんと、時代遅れの堅物だった吉川が出会うことで、お互いが良い方向に変わっていくのは物語の定番ではありますが、観ていて心地よかったです。
コメディとしては爆笑できるわけではありませんが、微笑ましく観ることが出来ました。
90歳の草笛光子さんの好演には感服致します。
予告編を観て、せわしないテンポの速い作品かと思わされましたが、実際は落ち着いた日本映画らしい作品でした。
とはいえ、時折、現在的な演出が挟まれるのは気になりました。
本作の観客はお年寄りが多いので、そのような演出を挟まずに、全編ゆったりと描いた方が良いのではと思いました。
この辺り、お年寄りが観てどう思うか分かりませんので、私の考えが間違っている可能性はありますが。
本作の監督は『老後の資金がありません』『そして、バトンは渡された』の前田哲さん。
ベストセラーエッセイを無難に映画としてまとめています。
個人的には三谷幸喜さんの出演場面を期待していたのですが、思ったほど印象に残る役どころでは無かったのが残念でした。
出演されている俳優さんは皆、好演でした。
ラスト、佐藤愛子さんが2023年に100歳になられたと紹介される字幕には感涙しました。
実在の人物を描いた作品ならではの説得力です。
ご興味のある方はご覧になっても損をしない映画だと思います。
楽しめました。