2024年5月公開作品。

 

劇場版『あぶない刑事』シリーズの8作目になります。

 

前作『さらばあぶない刑事』で完結したはずのシリーズが8年ぶりにまさかの復活、あぶデカファンの私は期待と不安で観賞しました。

 

この先ネタバレ有り、注意!!!!!

 

 

 

 

 

想像以上に楽しめた作品でした。

 

私的には今年に入って観た映画の中で一番面白かったです。

 

これは私があぶない刑事ファンであることが多大に影響しておりますので、一般の映画ファンから観ればそこまで面白く感じないかもしれません。

 

 

主人公の鷹山を演じる舘ひろしさんは74歳、大下を演じる柴田恭兵さんは72歳、お二人とも年齢を感じさせないルックスとアクションで魅せてくれます。

 

 

 

スクリーンサイズがこれまでのビスタサイズではなくシネスコだったことにまず驚きました。

 

やはりシネスコだと映画を観ているという実感が湧いてきます。

 

 

 

前作のラストで警察を定年退職し、ニュージーランドで探偵を始めることになった鷹山と大下。

 

本作の冒頭でニュージーランドでトラブルを起こし、横浜へ帰ってきたことが判明します。

 

横浜で探偵を始めたタカ&ユージの前に、土屋太鳳さん演じる彩夏が幼い頃に生き別れた母親を探して欲しいと現れます。

 

話を聞くうちに、彩夏が自分の娘では無いかと疑うタカ&ユージ。

 

一方、横浜では『もっともあぶない刑事』でタカ&ユージに射殺された銀星会組長・前尾の息子・海堂が暗躍する殺人事件が勃発。

 

仲村トオルさん演じる港署捜査課の町田課長が中心となって捜査を始めます。

 

この一見、何の関連もなさそうな出来事が絡み合って、事態は横浜をターゲットにした爆破テロへと発展していきます。

 

 

映画の前半はタカ&ユージと彩夏の交流が中心です。

 

 

この彩夏を土屋太鳳さんが魅力的に演じていますので、私はこの前半部分を大いに楽しみました。

 

ですが、この前半部分はアクションシーンが少ないので、あるいは退屈に感じられる方もいらっしゃるかもしれません。

 

 

物語の中盤で、ようやく銃撃戦が展開されます。

 

刑事を辞めて探偵をしているタカ&ユージは拳銃は所持していないので、銃撃戦に参加することができすにいる描写は新鮮でした。

 

鷹山が目の前の銃を拾って銃撃するシーンは、私的には盛り上がる場面でした。

 

 

本作のアクションシーンは大掛かりな爆破などがほとんど無いので、シリーズ史上もっとも地味かもしれません。

 

ですが、銃撃戦のシーンなどはそれなりに趣向が凝らされていますので、面白く観る事が出来ました。

 

 

年齢を感じさせずに走り回る柴田恭兵さんやバイクでのスタントを披露する舘ひろしさんの勇姿には感激させられます。

 

 

今作の脚本は大川俊道さん岡芳郎さん。

 

お二人ともシリーズではお馴染みですので、あぶない刑事らしい雰囲気を存分に満喫させてくれます。

 

これまで劇場版全作品の脚本を書かれていた柏原寛司さんが参加されていないので洒落た台詞が無いのは物足りないですが、その代わりしっかりとしたドラマが描かれており物語も充実しているので、本作に関しては柏原寛司さん不在が良い結果になっている気がします。

 

 

捜査課課長の町田は、とても魅力的なキャラクターとして描かれていました。

 

見せ場も多く、仲村トオルさんのファンの方はきっと満足できるかと思います。

 

 

一方、浅野温子さん演じる真山薫は、相変わらずキャラクターが崩壊していました。

 

ですが、出番が少なく物語にもほとんど影響しないので、これまでの作品のように物語をぶちこわすようなことはありませんでした。

 

中盤に初めて登場する場面は趣向が凝らされていますので、人によっては笑えるかもしれません。

 

私はこのキャラクターの初期シリーズからの変貌が苦手ですので、受け入れがたいのですが。

 

 

ベンガルさん演じるナカさんも物語を壊さないような控えめな出番で良かったです。

 

長谷部香苗さん演じる瞳ちゃんはさすがに年齢を感じますが、画面に登場すると一気に懐かしさで嬉しくなりました。

 

 

港署の刑事を演じた西野七瀬さんもタカ&ユージの陰に隠れることなく印象に残るキャラクターになっていました。

 

 

本作の悪役・海堂を演じた早乙女太一さんは悪役らしい憎たらしさで、タカ&ユージに始末される場面はスッキリさせられました。

 

もうひとりの悪役・リウ・フェイロンを演じた岸谷五朗さんは、悪役でありながら憎めないという難しい役どころですが、見事に演じていらっしゃいました。

 

 

劇中、過去作の音楽をアレンジして流れていたのが懐かしくて嬉しかったです。

 

エンドロールの舘ひろしさんの歌が『冷たい太陽』ではなく『翼を拡げて -open your heart-』なのも意表をつかれて良かったです。

 

 

本作の題名は『帰ってきたあぶない刑事』なのに主人公が探偵では、題名に偽りありではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。

 

ですが、実は終盤で、タカ&ユージは刑事に復活するのです。

 

どのように復活するのかは劇場でお確かめください。

 

このシーンに私は大いに盛り上がりました。

 

 

二人の愛車・レパードが登場するシーンも嬉しい見所です。

 

 

心から楽しめた映画でした。

 

『あぶない刑事』が好きな方ならば楽しめる作品だと思います。

 

個人的にはこれで最後ではなく、まだまだ続編を作って欲しいと思います。