2024年3月公開作品。

 

『キック・アス』『キングスマン』シリーズでお馴染みのマシュー・ヴォーン監督の最新作です。

 

この監督の作品はいつも面白く観賞しているので、今作も期待しながら映画館へ足を運びました。

 

この先ネタバレ有り、注意!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

主人公の小説家・エリー・コンウェイの小説『アーガイル』が現実とリンクしていたことからスパイの抗争に巻き込まれる物語です。

 

残念ながら私が苦手なタイプの構成の物語でした。

 

観客を楽しませようと様々な趣向を凝らしているのですが、私は本作のようなどんでん返しを連発するストーリー展開はあまり好きでは無いのです。

 

一つの物語の中にどんでん返しを多数盛り込むと、一つ一つのどんでん返しの衝撃が弱く感じてしまうからです。

 

前半の女性小説家とスパイの凸凹コンビによる活劇はどこかで観たことのあるような設定ですがそれなりに楽しめました。

 

ですが、中盤以降のどんでん返しのバーゲンセールには辟易してしまいました。

 

途中からは意外な真相が明らかになっても何とも感じなくなってしまいました。

 

どんでん返しは一つの物語に一つか二つくらいがちょうど良いと言うのが私個人の持論です。

 

本作のように連発するのは好みではありません。

 

これは私個人の感じ方の問題です。

 

活劇としては出来の良い作品だと思います。

 

マシュー・ヴォーン監督らしい趣向の凝らしたアクションシーンは最後まで飽きずに観ることが出来ました。

 

ただ物語の展開が好みでは無かっただけです。

 

主人公の飼い猫の扱いも登場時間が多い割には中途半端に感じましたし、同行するスパイが猫アレルギーだという設定も活かされていないように思えました。

 

様々な趣向が凝らされているので一見上手い脚本にも思えるのですが、私はそれほど出来の良い脚本ではない気がします。

 

ラストに本作と『キングスマン』の世界がリンクしていることが示唆されますが、その設定はむしろ本作の世界観を狭めることになっているように思えました。

 

今の時代、アクション映画もこれほど物語に趣向を凝らさねばならないでしょうが、個人的にはもっとストレートな活劇の方が好みです。

 

主演のブライス・ダラス・ハワードさんは前半の小説家を演じている時は良いのですが、中盤に明らかになる真相以降は設定に無理があるように感じられました。

 

身体の動きが重そうで、とても真相通りの人物には思えないのです。

 

そういう部分はある意味微笑ましくもありましたが。

 

私には合わない物語でしたが、それでもアクション自体は楽しめましたので、入場料金分は元が取れると思います。

 

観て損のない映画だと思います。