1996年9月公開作品。

 

あぶない刑事劇場版のシリーズ第四弾です。

 

前作『もっともあぶない刑事』で完結したシリーズですが、まさかの7年ぶりの復活でした。

 

この先ネタバレ有り、注意!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

公開時、私は日曜日に銀座にある丸の内東映(現在の丸の内 TOEI)で観賞しましたが、観客が非常に少なくて驚いたことを覚えています。

 

これまでのシリーズは満席かそれに近い状態でしたので。

 

前作まで捜査課の課長を演じてこられた中条静夫さんがお亡くなりになられたため、今作では小林稔侍さんが新しい課長を演じておられますが、これにより作風が変わり違和感のある作品に仕上がっています。

 

7年ぶりの新作ということで、オープニングは舘ひろしさん、仲村トオルさん、浅野温子さん、柴田恭兵さんが演じる港署の刑事たちのそれぞれの七年後の姿を描いております。

 

このオープニングはギャグもアクションも滑り気味で、この先の展開が不安になりました。

 

オープニングには野際陽子さんがゲスト出演されているのですが、何のために出てきたのか分からないような勿体ない役どころです。

 

前作でキャラクターが崩壊していた浅野温子さん演じる薫ですが、物語の中盤では初期の頃を彷彿とさせるキャラに戻りホッとさせられました。

 

とはいえ後半では一気に間抜けなキャラに戻り、残念な気持ちになるのですが。

 

仲村トオルさん演じる町田透のキャラもかなり壊れてしまい、前作まであった武器調達という見せ場まで小林稔侍さんに奪われたため、ただのギャグ要員に成り下がっています。

 

今作に登場する関口知宏さん演じる後輩刑事も、中盤に人質にされるのが最大の見せ場という情けない役どころで、出番の割に存在意義がほとんどありません。

 

そんな中、タカ&ユージは相変わらずの格好良さなので、なんとかあぶない刑事というシリーズらしさは保っています。

 

物語はブレーメンというカルト組織がミサイルで原発を破壊しようと目論むのを阻止する話です。

 

これまで以上にスケールの大きな物語になっています。

 

ミサイルの飛行シーンのCGはイマイチですが、ラストの爆破シーンのCGは今観ても良い出来で、映画らしいクライマックスに仕上がっています。

 

伊原剛志さん演じるブレーメンのリーダーは、場面によってはふんどし姿だったりして妙なキャラクターになっているのも違和感があります。

 

ラストはタカ&ユージが死んだかと思いきや……、という前作同様の締めくくり。

 

ミサイルのシーン以外は目新しさもなく、小林稔侍さんの課長もあぶデカらしくなく、主役二人以外のメインのキャラクターも崩壊しているというわりには、最後まで意外と面白く観ることが出来る作品でもあります。

 

次回はTVスペシャルとして放送された『あぶない刑事フォーエヴァー TVスペシャル'98』について語りたいと思います。