2023年6月公開作品。

 

インディ・ジョーンズシリーズの第5作目です。

 

現在80歳のハリソン・フォードさんが主人公インディ・ジョーンズを演じています。

 

これまでシリーズ4作を監督してきたスティーヴン・スピルバーグさんは製作総指揮で、今作はジェームズ・マンゴールドさんが監督しています。

 

インディ・ジョーンズには個人的に思い入れがあります。

 

子供の頃の私が映画館で初めて観た洋画が『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』だったのです(正確には同時上映だった『スタートレックⅢミスター・スポックを探せ!』の方を先に観ているのですが)。

 

初めて観る字幕付きの洋画でしたが、あまりの面白さに興奮したことを覚えています。

 

それ以来、映画の魅力にとりつかれた私は、成長してから映画の専門学校で学んだりするほどの映画好きになりました。

 

大好きなシリーズなのですが、4作目の『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』の出来がイマイチでしたので、待望の最新作を期待と不安で観賞しました。

 

私は冒険物の映画が大好きですので、八十年代のアドベンチャー映画の数々には全て思い入れがあります。

 

ロバート・ゼメキス監督の『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』や新人時代のシャロン・ストーンさんが出演していた『ロマンシング・アドベンチャー/キングソロモンの秘宝』、リチャード・ドナー監督の『グーニーズ』などといった映画は今でも好きです。

 

近年、この手のアドベンチャー映画があまり制作されなくなったので、今作は非常に楽しみにしていました。

 

この先、ネタバレ有り、注意!!!!!

 

 

 

 

 

 

鑑賞後の率直な感想は、大いに楽しめました。

 

シリーズの過去作を思い起こさせる演出が所々であり、当時を懐かしみながら観ることが出来ました。

 

本作でインディが探すのは、アルキメデスが制作したという『アンティキティラのダイヤル』。

 

これで時空の裂け目を探す事が出来、時間移動が可能になるというのです。

 

個人的には神にまつわる秘宝の方がインディ・ジョーンズシリーズらしい秘宝に思えるのですが、シリーズ三作目の題名が『最後の聖戦』でしたので神絡みの秘宝は三作目で終わり、4作目は宇宙人にまつわる突拍子もない秘宝でした(クリスタル・スカル自体は実在しますが)。

 

今作に登場する『アンティキティラのダイヤル』も一応は実在するものですが、この映画で示されるような機能は実際にはありません。

 

とはいえ、前作の宇宙人ネタよりは、個人的には受け入れることの出来る秘宝でした。

 

アクションシーンも楽しめました。

 

とはいえ、個人的には『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』がシリーズで一番好きですので、もっと秘境での冒険物語が観たかった気もします。

 

ラストにカレン・アレンさん演じるマリオンが登場してからのシーンは、個人的には本作の一番のお気に入りで、ハリウッドのクラシック映画の名作を観ているかのような幸せな気分にさせられました。

 

素晴らしいラストシーンでした。

 

とはいえ、気になったこともいくつかありました。

 

冒頭、これまではパナマウント・ピクチャーズのロゴの後、山の形に似たものが映し出されるのが恒例でしたが、ディズニーが製作した本作ではそれが無かったのは寂しく思いました。

 

一応、ルーカスフィルムのロゴに似た形のものから始まってはいましたが。

 

中盤以降、行動を共にする少年が『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』に登場したキー・ホイ・クァンさんと比べてあまり可愛げが無いのも、個人的には残念でした。

 

終盤のクライマックスの場面で、インディは撃たれて負傷している状態でしたので、あまり活躍の見せ場が無かったのも残念。

 

クライマックスはナチスの飛行機対古代ローマ軍という戦国自衛隊を彷彿とさせるシチュエーションでしたが、それをあまり活かしきれていなかったのは残念。

 

もっとも、ナチスがローマ軍を殲滅するような展開だと、ナチスが格好良く見えてしまうので、それでは色々と良くないかもしれません(ディズニー映画ですから、なおさら……)。

 

前半で殺人犯として指名手配されたインディでしたが、どうやって疑いが晴れたのか、その辺りが曖昧に終わったので、その点も気になりました。

 

前作で活躍した息子が死亡しているという設定も、今作で登場させないための措置だとは思うのですが、それにしてももう少しどうにか出来なかったのかとも思います。

 

日本での題名が『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』と間に『と』が入っているのも気に入りません。

 

原題の『and』を直訳しているのですが、これまでのシリーズでは『と』などと訳さなかったので、本作でもそのようにして欲しかったです。

 

おそらくハリーポッターシリーズにあやかろうとした安直な宣伝マンがいたのでしょう。

 

本当にセンスの無い邦題だと思います。

 

色々書きましたが、この手のアドベンチャー映画は細かい事など気にせずに、純粋に楽しめたもの勝ちだと思います。

 

私は大いに楽しませてもらいました。

 

これでシリーズが終わるのが残念でなりません。

 

本当に楽しい映画でした。