2022年12月公開作品。
出演は大泉洋さん、柴咲コウさん、有村架純さん、目黒蓮さん、伊藤沙莉さん、田中圭さんなど。
監督は廣木隆一さん。
出演者の顔ぶれで気になっていた作品を鑑賞してきました。
この先、ネタバレ注意!!!!!
佐藤正午さんの直木賞受賞作品の映画化ですが、原作は未読での鑑賞です。
正直、私には合わない作品でした。
私には何とも気持ちの悪い物語でした。
ジャンルとしてはファンタジーなのでしょうが、私にはホラーっぽく感じてしまいました。
瑠璃という女性が何度も生まれ変わって現れるという輪廻転生の物語を、何の抵抗もなく受け入れられる方ならば、この物語を大いに楽しめると思います。
私は輪廻転生してまで、この現世にしがみつきたいとは思いませんので、この物語に感情移入して観ることが出来ませんでした。
妻と娘を事故で失った大泉洋さん演じる小山内が、伊藤沙莉さん演じる亡き娘の親友の話を聞くことで、娘が輪廻転生しているという事実を受け入れるのですが、伊藤沙莉さん演じる亡き娘の親友がなぜそんなことまで知っているのかと不思議に思えるくらい、色んな事実を語り始めるのにはどうにも違和感しかありませんでした。
なぜ前世の瑠璃の事に詳しいのか、その説明は作中では全くありません。
あるいは瑠璃の現在の生まれ変わりである彼女の娘(まだ幼い少女)から、前世の話を聞かされたのかもしれませんが。
転生するたびに事故で亡くなるという人生を繰り返している女性の存在は、私にはホラーでしかありません。
有村架純さん演じる前世の瑠璃と恋に落ちる目黒蓮さん演じる三角のストーカーまがいの行動の数々も気持ち悪く感じました。
相手が有村架純さんならば執着する気持ちも分からなくはありませんが、それにしても粘着質過ぎます。
田中圭さん演じる前世の瑠璃の夫の存在も気持ち悪かったです。
この男が絡むと、瑠璃は必ず事故で亡くなります。
疫病神でしかない。
目黒連さんと転生した瑠璃が再会して抱き合うシーン、あれも演出では大人同士が抱き合っている映像を見せているのですが、実際は中年男性と幼女が抱き合っている訳で、それを考えると気持ち悪さしかないです。
この物語を考えた人間の発想が気持ち悪く思えます。
とはいえ、一応、大泉洋さん演じる小山内は輪廻転生を信じていない役どころなので、私が観ていて思っていることを少しですが代弁してくれています。
悪いことばかり書きましたが、大切な人間を失った方には、亡くなった人間もどこかで生まれ変わって生きている、いつか再会できるかもしれない、という物語は優しい救いに感じられるかもしれません。
観る方によっては感動の作品かもしれません。
直木賞を受賞した作品ですから、おそらく気持ち悪く感じる私の感性の方がおかしいのでしょう。
出演している方々の演技も素晴らしいので、ファンの方は満足できる映画だと思います。
輪廻転生の物語に抵抗のない方も楽しめる映画ではないかと思います。
この映画を好きな方、原作を好きな方、酷評してすみません。