2022年6月、日本公開作品。

 

是枝裕和監督が韓国映画として制作した作品です。

 

主演はソン・ガンホさん。

 

言うまでも無く、韓国映画の名作に数多く出演されている名優です。

 

私が韓国映画を映画館で観るのは、『パラサイト 半地下の家族』以来になります。

 

是枝裕和監督の作品を映画館で観るのは『万引き家族』以来。

 

ここからはネタバレ注意!!!!!

 

正直、今回、個人的にはイマイチな出来の作品でした。

 

ただ、これは私にとってであり、観る方によっては傑作と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

 

赤ちゃんを捨てた母親が、赤ん坊の闇売買の二人と接触するまでの課程が違和感。

 

まあ、後に分かる母親側の事情を鑑みれば、当然の思考なのだが、観ている間はなぜ警察に通報しないのか違和感しかない。

 

警察側もいくら赤ん坊の闇取引の現場を押さえたいからといって、殺人犯を放置し続けるのは違和感しかなかった。

 

闇取引を追う刑事役はペ・ドゥナ。

 

出番が多い割に、見せ場の少ない役どころ。

 

勿体ない使い方だ。

 

血のつながりの無い人たち(実の母子もいるが)が、次第に実の家族のようになっていく展開は是枝監督らしい物語だ。

 

既視感だらけの物語なので、目新しさも少なく、退屈に感じたのかもしれない。

 

撮影はさすがは韓国映画、日本映画とは映像の重みというかリアリティが違う。

 

個人的には日本映画の方が好きだが、映像の迫力とかは韓国映画に負けていると思う。

 

赤ちゃんポストの問題点など、一通り描かれているが、誰でも分かるレベルの問題提起しか出来ていないので、この映画独自の視点に欠けているように思えた。

 

ラストの終わり方は若干甘すぎる気もした。

 

赤ちゃんを捨てて、人も殺した人間なのだから、もっと罪を背負って欲しかった。

 

彼女の事情を鑑みれば、あのラストも分からなくはないが。

 

「生まれてきてくれてありがとう」と言い合う場面が個人的には一番良かった。

 

個人的には相性が良くない映画だったが。