2021年に公開された日本映画。
この記事を書いている現在も公開中です。
ネタバレ有ります!!!!!
まだ観ていない方は要注意!!!!!
評判の良い映画のようですが、残念ながら私にはその良さが伝わってきませんでした。
作品の構成的にどんでん返しがあるのですが、勘の鋭い方なら序盤ですぐに気がつくと思います。
ってか、これってわざわざ、どんでん返しで描く様な物語だとは思えない。
素直に主人公の幼少期として描けばいいのに、なぜそれを隠す必要があるのだろうか。
題名の意味が分かるラストも、個人的には女性を物(バトン)として描く男尊女卑な考え方が気になった。
この映画の思考でいうならば、結婚相手である男性側の親からも同様にバトンを渡されているワケなのだが、そちら側の視点がほとんど無視されている。
この映画のこの部分を誰も指摘していないのが不思議。
石原さとみさん演じる義理の母親の設定も、まどろっこし過ぎて心に響きにくい。
個人的には泣けそうで泣けない。
っていうか、この手の病気で死ぬ映画は何本も観てきたので、今更泣けない。
石原さとみさんは熱演だと思うが、個人的にはこの女優さんの演技にはあまり個性を感じられない。
この辺は個人的な好みの問題だと思うので、ファンの方には申し訳ないです。
いい演技だとは思います。
特に終盤の病気が進行した頃の表情がいい。
この映画の中で一番気に入ったシーンは、主人公が大人になってから、実の父親と再会するシーンの「分かるの?」の台詞を言う時の永野芽郁さんの表情。
ふとした瞬間にいい表情をする女優さんだと個人的に思う。
田中圭さんと市村正親さんの義理の父親も好印象。
高校生の主人公はピアノを欲しがっていたけれども、市村正親さん演じる二番目の父親の家に行けば、いつでも弾ける環境だったのではないだろうか。
どうして行かなかったのだろう。
それにしても、この映画は上映時間が長すぎ。
この内容ならば、もう少しコンパクトにまとめられた気がする。
決して悪い映画では無いが、残念ながら個人的には心に響く箇所の少ない映画だった。
ちなみに原作をかなり改悪しているらしい。
原作、かなり評判いいので、一度読んでみようかな。