夢見の石を、渡された。
渡した彼を見たが、目の前にいるのに見えないその『人?』が、何を言いたいのかさっぱり分からない。
でも、ただ、彼の三重の光の輪?というか、波動が美しいので、素直に受け取った。
ドキドキする。恋かな(笑)。
なんて、思いながら、その『人』を見るけれども、背格好は、私と同じくらいなのに、オーラというか光のみが力強くて逞しく、なんだか本当にときめいている自分が気恥ずかしい気分になってくる。
だって、きっと、こんな感情も、この『人』には、筒抜けだろうから。。
きっと、この『人』は、境界を超えることを許してくれるだろう。
けれども、私の小さな子どものような心は、それを恐がり、なかなか踏み出せない。
ただ、きっと、踏み出して、この『人』の中の光に入ったならば、すっぽりと私が入り、ドームの中で暖かな優しさと幸せに包み込まれるのだろうな~という気はする。
でも、これだけ暖かな『人』だから、
もし、万が一、拒絶されたら、怖い。
きっと、他に、こんな『人』はいないだろうから。。
私は、何も始まってもいないのに、
出逢ってしまったことが、少し恨めしくなり、彼を見た。
そして、右手に重い物体を持っていたことに気づいた。
「夢見の石」
頭の中に声が響いた。
彼の声が、直接私の頭の中に言葉を届けたようだった。
目の前の光の塊を見る。
中には、深い深い蒼、碧、青、の銀河の渦と、光り微粒子が絡み合い踊っている。
とてもとても不思議で美しい光を放っている。
よーくよーく見てみると、中に、生命を持つ星がいる。
なんてこと。
絶えず明滅する星々が、私の手の中にあることに、驚いた。
石の中では、次々と新しい星雲が生まれ、太陽の光に照らされ、超新星が爆発し、不思議なことに、宇宙空間らしきところに、水らしき渦が渦巻いて、絶えず流れを生み出している。
海の潮騒のように、白い泡をまきちらしながら、蒸発し、光と雲が生まれ、彩雲が龍のように唸っている。
魔法?
これは、何だろうか。
「夢見の石とは、何?」
私は彼を見た。
彼は光に包まれていて、表情は全く見えない。
ただ、先ほどより、男の人の輪郭が見えてきた。
思ったより、顎のラインが、きちんと男の人の形をしているな~~と。
質問の答が帰ってくるほんの数秒の間に思った。
彼が、何かをつぶやいた。
この『人』、しゃべれるんだ。
そのことに少し驚いたけれども、言葉として認識できない。
冷静に、波長を合わせて聞き取ろうと、必死に意識を向けるが、全く分からない。
私は、諦めた。
無理をして意識を高めるから、聞こえないのかもしれない。
ただ、森の中の鳥のさえずりに耳を傾けるように「聴く」ことにした。
左手の中の夢見の石を再び見た。
石は、私の左手の中心から漏れていく光の粒子を遮り、フタをしてくれている。
うーん。ただただ美しいな~~。
気負っていた肩の力が抜けてくるのを感じた。
そうか、さて、仕事にとりかかろう。
私は、描きかけの絵を描くことにした。
これが夢でもなんでもいい。
彼が、喜ぶことをしよう。
彼が何を言っているのか聞き取ることはできないけれども、
彼が何をしたら喜ぶかも分からないけれども、
私なりに、がんばって、彼が喜びそうなことをしてみよう。
絶対に、何もしないより、いい。
三重の光の向こうの彼が、少し微笑んでいるように感じた。