最近実生活が忙しくてブログを全然更新出来ません...
また基本情報技術者試験を受けようかなと思ってから過去問ばかりやっていて全然ブログに回す時間が無い...
ですが、基本情報技術者試験の勉強が疲れたので息抜き代わりにブログ更新しようかなと思います。
あまりMOSFETの設計はやってきませんでした。
私のイメージとしてはめんどくさそう・設計を間違えたらマイコンが壊れそう
なんてイメージがありました。
でもまあこれから先の時代はトランジスタではなくMOSFETを使っていく時代になると思われます。
そこで好き嫌いせずMOSFETの設計をやってみようかなと思います。
注意点ですが、MOSFETは設計初心者です。
もしかしたら間違っているかもしれません。
もし間違っていたらご了承ください。
・MOSFETの簡単な基礎
MOSFETの詳しい説明はWikipediaなり教科書なり別のサイトを参照してください。
MOSFETの正式名称は金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)といいます。
一応種類別としてはトランジスタに入ります。
見えにくいですがご了承ください。
他にもIGBTなどもありますが、今回は省略します。
またMOSFETにもさらに種類がありますが、今回はよく使用するエンハンスメント NチャネルMOSFETを使用します。
回路図はこんな感じで違います。
左がトランジスタ NPN形 左がMOSFET エンハンスメント Nチャネル形です。
端子の名称も違います。
トランジスタは B ベース Cコレクタ Eエミッタ
MOSFETは G ゲート Dドレイン S ソース
となっています。
またトランジスタは電流で制御した電流制御形素子でしたが、MOSFETなどのFETは全て電圧で制御する電圧制御形素子です。
またトランジスタはベースに電流を流す観点からベース-エミッタ間の抵抗が比較的低いことが特徴でしたが、MOSFETは非常に高くなっています。そのため省電力で大電力を扱えるというポイントがあります。
エンハンスメントとは増加のことを表していて、ゲート(トランジスタでいうベース)に電圧をかけると比例的に電流が流れます。
デプレッション形と呼ばれるタイプもありますが、こちらはゲート(トランジスタでいうベース)に電圧をかけると電流が流れにくくなるという特性があります。
一般的に使われるのはエンハンスメント形です。
(そもそもデプレッション形を見たことがあまりありません)
・設計してみる
基本的な回路設計はこんな感じになります。
先程MOSFETは入力抵抗が非常に大きいといったため、ではゲート抵抗はいらないのではという人もいるかもしれません。実はゲート抵抗を付けないと最悪壊れる可能性があります。
MOSFETの内部はこのようになっていて、このコンデンサに電荷が貯まるとスイッチが入るような仕組みになっています。(本来であればD-S間にもコンデンサ成分があるのですが、設計ではあまり関係ないため省略します)
(補足ですが、内部にコンデンサがあるわけではなく、コンデンサ成分があるだけです。実際に入っている訳ではありません。また本来であればスイッチではなく抵抗成分ですが、分かりやすくするためにスイッチで説明しているだけです。)
コンデンサは抵抗を付けないとほぼ無限に電流が流れるという特性を持っています。
(実際には等価直列抵抗 ESR があるので無限というわけではありませんが...)
そのため抵抗を付けずにゲート直接にマイコン配線すると最悪マイコンが壊れます。
それを防ぐために抵抗を付けましょう。
じゃあゲート-ソース間抵抗は?と思うかもしれませんが、電圧を安定させるための物です。
よく分からないのであれば適当に10kΩ位を入れておけばOKです。
次にゲート抵抗を決めましょう。
ゲートにはコンデンサ成分があると言いましたが、それを計算に使います。
計算にはどれくらいで立ち上がってほしいか(Ton)
それと電源電圧・MOSFETのゲート入力電荷量 (Qg)があればOKです。
たち上がり時間・立ち下がり時間とは
目にはこのように見えているような波形でも
実際にはこのように若干遅れて変化しています。
これが立ち上がり・立ち下がり時間です。
そこから計算で
Rg = (Vcc × Ton)/Qg で求める事が出来ます。 Rgがゲート抵抗 Vccがゲート-ソース電圧 すなわちマイコンの電圧です。 Tonがたち上がり電圧 Qgがゲート入力電荷量 今回使うMOSFETは 2SK2231という東芝製のMOSFETデス。 |
東芝 2SK2231のデータシートから参照
今回はそれらのスイッチング時間などを全て引用して計算します。
Ton = 25ns ゲート入力電荷量 Qg = 12nC また電源電圧VCCは5Vとして計算してみます。
(5V × 25nS) ÷ 12nC = 10.4Ω
と結果が出ましたが、残念ながらこれでは使用できません。
なぜかというと10.4Ωで稼働してしまうとマイコンが壊れる可能性があるからです。
ちょっとここからは難しい話になってしまうのですが、実はFETのたち上がりはそんなにシビアではありません。
抵抗が低すぎると寄生振動と呼ばれる現象が発生して壊れます。
(あまり良い図が作れなかったため載せられないんですが、もし気になったら調べてみてください。)
逆に抵抗が大きすぎるとMOSFETが完全にONになるまでの時間が長いため、その間、電流が流れるとMOSFETで損失が発生し熱で壊れる可能性があります。
という事は熱で壊れなけば多少の発熱はしょうが無いって事になりませんか?
なので抵抗が小さい分には致命的に壊れる可能性がありますが、抵抗がある程度大きい分にはそこまで問題にはなりません。(多分)
ただしあまりにも大きすぎる抵抗にするとそれはそれでまたMOSFETの負担になってしまうので、できるだけ最小の値にします。
今回はPIC12F629を使用するので、最大20mAのとなります。
それだとちょっと心元ないので 15mAとして計算します。
5V ÷ 15mA = 333.3Ω = 300Ωとなります。
残念ながら手持ちに300Ωはないので 今回は330Ωを使用します。
まあこれでも792nSでたち上がり出来るらしいのでとんでもない早さと言うことは変わりないのですが。
・実際に組んでみる
必要な物
- PIC12F629
- LED
- 1kΩ (LED電流制限用)
- 10kΩ (MOSFET ゲート-ソース間抵抗)
- 330Ω (MOSFET ゲート抵抗)
- MOSFET (2SK2231)
- 0.1uFコンデンサ (マイコンの電源に並列に接続)
こんな感じで光りました。
一緒にモーターも回してみました。
これだとON/OFF制御のため、停止がかかりません。
それらについてはまた今度詳しく書こうかなと思います。
これならMOSFETでも制御できるかもしれないとちょっと思いました。
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