2月11日(土)、茨城県久慈郡大子町にある大子町文化福祉会館「まいん」で開催された、第7回 大子町文化遺産活用シンポジウム「大子町の文化遺産を活かす」に参加してきました。
今回7回目を迎えるこのシンポジウムは、大子町の伝統的産業や、歴史的建造物などの文化遺産を、次代に引き継ぐべく活動している各団体による報告を元に、会場に集まった皆で共に考える場として開催されました。
このシンポジウムに関わるのは今年で3回目です。今まではお手伝い的な参加でしたが、昨年のシンポジウムの質疑応答の時間をフルに使わせて頂き、那須楮の重要性と生産の危機を訴えさせて頂きました。
その後本年度から那須楮の生産と出荷の現状調査をすることになり、嶋根が担当することになりました。
なお、昨年11月14日に行われた「大子那須楮保存会」設立により、「那須楮」は「大子那須楮」という名称になりました。
和紙の原料は、主に木の皮の繊維である楮(こうぞ)、雁皮(がんぴ)、三椏(みつまた)が使われます。その中の一つである楮は、かつては日本各地で生産され、その土地で紙を漉いていました。その後安価な外国産楮等に押され、生産量は減り続けています。
主な楮の産地としては土佐、石州などがありますが、ここ大子町は那須楮の生産地です。那須の問屋によって全国に売られたため「那須楮」と呼ばれました。
2014年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)は「和紙 日本の手漉和紙技術」を無形文化遺産に登録することを決めました。今回登録されたのは、「石州半紙」(島根県浜田市)と「本美濃紙」(岐阜県美濃市)、「細川紙」(埼玉県小川町、東秩父村)の3つの和紙です。
この中で大子那須楮を使用しているのが本美濃紙で、細川紙も一部の紙に使用しています。またこれとは別に、重要無形文化財保持者(人間国宝)の岩野市兵衛さんが漉く越前奉書紙の原料も大子那須楮です。
大子那須楮の黒皮。地元ではブイン皮と呼ばれる。これを白皮に仕上げる。
大子那須楮の白皮。昔から白皮の状態で出荷している。
大子町文化財保護審議委員会委員長 阿久津久氏による基調講演 「大子町の文化遺産を活かす―大子の山城現地巡り―」で始まり、各パネラーによる報告がなされました。
会場はほぼ満員。続々と地元の人たちが集まってきます。
今年の発表は、調査を2回しか行っていないために、あまり具体的な内容には至りません。ただ、別にお話を伺った細川紙の話しを交え、大子那須楮について報告してきました。
質疑応答では「今後に展望はあるのか」という質問を頂きましたが、それを見出すのがこの調査なので、現時点での回答を明確に発信できないのが残念です。
シンポジウム終了後の懇親会では、とくに若い方たちから楮に関する意見や質問があり、そんなところから新たな展望が出てくるのでは? と、少し期待しながら大子を後にしてきました。
今後、調査に行ったときには、このブログでご報告します。










