ちょっと破ってしまったりした時、セロハンテープは便利ですよね。でもちょっと待ってください、作品に貼ることだけは絶対にやめてください。
今回、このセロハンテープ痕を軽減する処置を行いましたので、ご紹介致します。残念ながら全部取り去ることは困難な場合が多いです。
図1 セロハンテープの接着剤が変色して、紙にも色が移っている。
セロハンテープを貼って間もない頃は、接着力が失われておらずベタベタ、ねばねばしています。その時に無理に取ると、紙の表面まで剥がしてしまうことがあります。時間が経つと、接着力が失われてテープだけが剥がれますが、接着剤自体は紙に残ります。紙の表面に残った接着剤はテカリが生じたり茶色く変色します(図2)。もっと時間が経つと接着剤は硬化して色が濃くなり、紙の中まで浸透していきます。
図2 接着剤の変色(上部)と、てかり(下部)。光っているのは接着剤で、テープは残っていない。
接着剤を取るには、溶剤を使って固着した接着剤を緩めます。溶剤は浸透性が高いので、緩んだ接着剤が広がらないように十分気を付けて作業をしなくてはなりません。そのための作業方法が幾つかあります。
今回はその方法の一つとして、次回ご紹介する「サクションテーブル」を使う方法があります。
テープ痕を取ることは、本当に大変なんです。
次回は実際にテープ痕を軽減する作業で、使用する「サクションテーブル」とは何なのかをご紹介します。