(2021/7/10)
森美術館のアナザーエナジー展で初めてまとまった数のミリアム・カーン作品を見て気に入った。その直後に、ギャラリーでミリアム・カーンの個展を見た。
森美術館と同様に、大小の絵画が並ぶ。
大きな画面に左下にだけ人物がいる。よく見ると彼の手の先には別の顔があるようだ。
手を伸ばす人。森美術館で、海に沈んでいく難民を手で表したものがあった。そこからの類推で、この絵も難民の父子かもしれない。男の下半身はリアルに描いているが、その横にはいたずらがきみたいな、線描だけの子供。
ちゃんと描くこともできるのに、こんなふうに線描だけで終わるものもある。
埋葬の場面だろうか。普通こう描かないだろうという描き方。森美術館でも思ったが、ここで完成とするのがすごいと思う。
木だと思うが、独特な描き方。
どことなく狂気じみた人物像。
黒人らしき顔の絵は妙に大きい。
油彩を描く前、1980年代は水彩を描いていた。絵の具の色が流れて美しく混ざり合う。しかし描かれているのは原爆のキノコ雲。カタストロフと美術のちから展でも見たシリーズ。
関連記事;