(2017/8/5)

 横浜美術館で見た作品の中で一番好きだったのは、風間サチコ。
 風間サチコと言えば、原発とか日本の戦後史とか社会問題をからめてくることが多いのだが、今回は自身の学校での思い出をもとにした作品で、ちょっといつもと違う。



 大作木版画「第一次幻惑大戦」。

 


 ごちゃごちゃした絵だがディテールがいろいろ面白い。
 時間割の上に乗った生徒たちが教科書を開いている。ガスマスクをつけて兵士のよう。


 札幌雪祭りの像のカエル。


 ファミコンの形の戦車。
 盾のように使われる年金手帳や預金通帳。


 他の作品も学校がテーマ。

 校舎の窓ガラスを割る、尾崎豊「卒業」的な古い不良。


 何かわからないが学校で戦っている。

 



 「人間富嶽」。珍しくペンで書かれている。学校の組体操と戦車のイメージが重なる。


 立体作品も。これは岡本太郎美術館のグループ展でも見たことある過去作品。

 



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        六本木クロッシング2013 アウト・オブ・ダウト 森美術館(風間サチコ)

 最後のコーナーで、風間の作品'ぼんやり階級ハンコ'を押すことができる。

 

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 もうひとつ良いと思ったのが、ザ・プロペラ・グループ。
 タイトルは「映画「タイタニック」の~に扮したレーニン」、「映画「インセプション」の~に扮したレーニン」といずれも、映画でディカプリオが主演した映画の役名が書いてある。


 ベトナムのアーティストの作品だが、政治的意図はなさそうに思える。単にレーニンとディカプリオの顔が似ているからで作っただけなのだろうか。
 でも面白かった。ちゃんとした絵画にしているのが良かった。

 レーニンが現代においてアメリカの映画に出ていたら面白い。

 


 透明度の高いガラスに細く何か跡がある。弾丸をジェルの中で衝突させたものとの解説&映像があり驚く。

 

 

つづき; 横浜トリエンナーレ2017 横浜美術館 2

 

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