つづきです
人生初の“授業”という名の公開処刑が始まる
渡された教材はたった 2ページ。
内容はぼんやり覚えてる。
「クラスみんなでお花見に行きました。桜の花の下でござを引いて料理を食べました。」
……みたいな平和な物語。
(このあと私の人生がまったく平和じゃなくなることを、この桜たちは知らない。)
そしてドキドキしながら教室へ。
20人くらいの生徒が、夕方の疲れた顔でこちらをじーっと見てくる。
ひぃ。
全員の視線が私の「放浪中」Tシャツに刺さる刺さる。
とりあえず自己紹介 → 天使の通り道できる
慣れてない自己紹介は盛り上がらず、
出身地の話も産物の話も、まったく転がらない。
やばい、沈黙……
天使が通る音が聞こえる。
(わかる?あのスーン……ってやつ。)
とりあえず教科書に逃げ込む私
気を取り直して本文を読む。
で、英語の先生みたいに
「はい、リピートアフターミー!」
やってみたら……10分で終了。
あと 2時間50分 どうすんの私???
生徒「先生、この修飾語は〜」
私「はい終わった」
はい、ついに来ました文法。
「ベレー帽先生、この“修飾語”は……?」
……え?
文法……!?
普段、生きてきて文法意識して喋ったことないけど!?
即・インイン先生を召喚。
「インインせんせーーー!!!!」
このあと、
生徒に質問される → 私フリーズ → インイン先生神対応
の、ループマシーンが発動。
もう授業開始30分以降の記憶がありません。
汗ダラダラで酸素も記憶もどっか行った。
3時間後、ゾンビになって決断する
なんとか終わった瞬間、
私はゾンビのように秘書の部屋へ歩き出す。
そして宣言した。
「文法の授業は……無理です!!」
いつもの「大丈夫〜!」を返されても、今日は違う。
「大丈夫じゃない!!」
はっきり言った。珍しく強めの私。
すると秘書さんも観念したように、
「……わかった。
じゃあベレー帽には“会話担当の先生”やってもらおうか。」
そんな部署、あったの!?
今その場で生まれたの!?
というわけで、新・ベレー帽誕生
こうして私は、
文法地獄から華麗に脱出し、
「会話担当の先生」
という謎ポジションに配置されたのであった。
めでたしめでたし。
(たぶんね。)
ーーーーーーーーー
長らく中国話を読んでくださった皆さま、ありがとうございます。
「ゆめまでの道のり」の裏道みたいな、
ブレイクタイム的シリーズとして
まるで次の角を曲がったら
なぜか私が「おかえり」って言いながら
湯のみ持って待ってるみたいな、
そんな感じで登場しますので、
どうぞよろしくお願いします。
大丈夫だぁ〜

