ハロー!プロジェクト(通称:ハロプロ)からデビューする新しいグループ(ハロプロ研修生ユニット)のグループ名が決まりました。
その名も
「ロージークロニクル」
「薔薇色の」そして「希望に満ちた」「幸せいっぱいの」という意味を持つ”Rosy”(ロージー)と、出来事を年ごとに記した歴史書である「年代記」を意味する”Chronicle”(クロニクル)。
いつまでも語り継がれるような、薔薇色の歴史を紡いでいってほしいという願いを込めて名付けられました。
ハロプロの事務所が考えたとは思えないネーミングセンスにファンは驚き、おののき、かっこいいと盛り上がりました。
ご家族・ご親戚・ご友人の皆さん。
ファンの皆さん。
本当に、おめでとうございます。
ユニット結成から、約2年。
デビューが決まってからグループの正式名称が決まるまで、1年かかりましたね。
……長かった。
ここからは、私ごとの話をします。
彼女たちのデビューが決まった2023年5月24日。
私の母は末期がんを患い、緩和ケアの病院に入院していて、昏睡状態――いつ目覚めるか分からない。いつ亡くなってもおかしくない状況にありました。
我が家は、家族全員がハロプロのファン。
音楽が好きで、三味線の師匠でもあった(人に教える資格を持つ)母は、テレビ東京で放送されている「ハロドリ。」がきっかけで、松原ユリヤさんを応援するようになりました。
ハロプロ研修生の実力診断テストで松原さんがBP賞(ベストパフォーマンス賞)を受賞された時は我が事のように喜んでいましたし、その後に発表されたモーニング娘。のお知らせ(新メンバー)に名前がなかった時は、落ち込んでもいた。
ハロプロ研修生ユニット`22のメンバーに決まってからは、彼女たちがメジャーデビューし、日本レコード大賞の舞台で歌っている姿が見たいと、よく申しておりました。
ハロヲタな皆さんはご存じだと思いますが、ハロプロの研修生はデビューが確約されているわけではなく、たとえユニットに選ばれても、ある日突然「研修終了」のお知らせがきてファンの前から姿を消すことも珍しくはありません。
それゆえ、研修終了の心配がほぼなくなったと言っていい「デビュー決定のお知らせ」を病床の母に伝えるべきか否かという葛藤を、当時の私は持っていました。
家族の会話は普段から多いほうで、愛や感謝も伝えてきた。死後の取り決めまで語り終えていたとはいえ、人生の最期にハロプロの話? それどころじゃないだろう……と。
そんな時、思いを馳せたのが、母が所有するレコーダーのHDDです。母は大きな手術をする前に、録画していた番組と録画予約の全てを削除していたのですが、唯一、残っていたのは家族の動画と「ハロドリ。」の毎週録画でした。
結果的に最後となった、母との面会日。
面会時間内に母が目覚めることはありませんでしたが、私は看護師さんに手紙と呼ぶには短すぎるメモを託します。
母が亡くなり、病院で葬儀社の車を待つ間。
父が看護師さんから聞いたところによると、松原さんたちのデビュー決定を知った母は、ニッコリと微笑んだそうです。
(伝えて良かった)と、その時 初めて思えました。
2021年に公開された映画「あの頃。」で、主人公が友人に今のハロプロについて語りかけるシーンがあります。
一回忌(一周忌)には間に合いませんでしたが、これで私もようやく、母にいい報告をすることができました。
今後は母の推しを相続して、松原さんとロージークロニクルを応援していきたいと思います。
彼女たちがレコ大のステージに立てますように。