モーニング娘。の15期メンバー北川莉央さんが、ご自身のブログで、ファースト写真集の発売を発表されました。

おめでとうございます。

 

北川さんのブログを受けて、ファンのSNS――特に、ここ最近のハロプロにハマった方の間では、北川さんと同じ15期の2人、

 

山﨑愛生さんと

 

岡村ほまれさんが

相次いで発売した「ビジュアルフォトブック」と、今回の北川さんの「写真集」の違いが分からないというコメントが見受けられました。

そこで今回は、私が想像する「写真集」と「ビジュアルフォトブック」の違いを、書かせていただきます。

 

まず、大前提として申し上げさせていただくと、「フォトブック」は「個人向け写真集製作サービスの総称」で、デジタルカメラで撮影した画像データを、紙のアルバムにすることを言います。

 

今では当たり前、スマホ(携帯)にも標準搭載されているデジタルカメラですが、その歴史は浅く、それまでのカメラにとってかわった(売り上げが逆転した)のは、今から18年前の2002年。

 

当時のハロプロはモーニング娘。に5期メンバーが加入。これとは別に開催された「ハロー!プロジェクト キッズ」オーディションにも27958人の応募者を集めるという、正にアイドル一強時代――名実ともに「国民的アイドル」と呼ばれていた時期でした。

※モーニング娘。の5期メンバー(上)とハロー!プロジェクトキッズ(下)アイドルを目指している世代に向けたモーニング娘。オーディションとは別に、子供(小学生?)向けのオーディションでも約3万人集めていた。

 

この頃の私はJリーグ(セレッソ大阪)の試合を年に30試合ほど見にいくようなサポーター。地元でモーニング娘。のコンサートが行われたことも知らなかった人間ですから、実体験として語ることができるのは「むっちゃテレビに出ていた」ぐらい。

今回のブログを書くために調べて驚いたのは、メンバー個人とは別に、ハロプロ全体やモーニング娘。名義の写真集だけでも、1年に12冊、発売されていたことです。

 

ハロプロのフォトブック元年といっていい、2002年に発売された「Hello! Project2002 Happy Dream―Super Fine Photo Book2」の宣伝文には、

 

「きれいで大きな新感覚写真集」と書かれていました。

 

つまり、年に12冊も出している「グループ写真集」を売るためには違う魅力が必要で、その1つが真新しいデジタルカメラで撮影することであり、今までの「写真集」とは別の商品という意味を“正しく”表現するための「フォトブック」ではないか? と、そんな推測が立てられるわけです。

(あくまでも個人の見解です/間違っていたらごめんなさい)

 

スマホ(携帯)にデジタルカメラ機能がついて、アプリで加工できるまでになった2020年。

デジタルカメラと印刷技術が進歩したことで、たくさん売らないと元がとれない出版物だった「写真集」は、私たちも気軽に作ることができる「フォトブック」へと変化しました。

 

(両者の違いについては「コンセプトがあるのが写真集」とか、「フォトブックは加工できる」といった話もあるのですが、現在のアイドル界における「写真集」と「フォトブック」は、同じような手法で作られている印象があります)

 

そんな状況で、あえてハロプロにおける「写真集」と「フォトブック」の違いを探るなら、写真集は「商売」と「外に向けたアピール」、フォトブックは「宣伝」と「内に向けたサービス」が目的になっているというのが、私の考えです。

 

コチラは、Juice=Juiceのリーダー、金澤朋子さんの「フォトブック」

表紙に「#いいね三芳町」と書かれているように、金澤さんが大使をつとめる三芳町の広報も兼ねられています。

 

ハロプロにおける「ビジュアルフォトブック」は、メンバーとその活動を紹介する意味やファンへのサービス精神がこめられていて、その立ち位置は、2011年から約6年間、新メンバーを対象に制作された「Greeting」シリーズに似ている。

※DVDからBD・フォトブックへと変わっていった「Greeting」シリーズ。

 

これに対して、いわゆる「写真集」には、「このメンバーを世間に向けて売っていくぞ」という、明確な意思を感じます。

 

その分かりやすい違いが、SNSで大勢を占めている「水着があるかないか」ではないでしょうか?

※牧野真莉愛さんの「Greeting」(上)と「写真集」(下)

 

私が思う「ハロプロの事務所の良いところ」は、メンバーさんに写真集をオファーするさいに、拒否権を与える点にあります。

私の推しメン、熊井友理奈さんが写真集を出された時も、事務所は「水着の撮影があるんだけど、どうする?」という打診をして、熊井さんはご家族と相談されたそうです。

そして、私が思う「ハロプロの事務所のダメ“だった”ところ」は、メンバーの年齢に関係なく「写真集」を出した過去。

10年前のハロプロなら、年長の北川さんだけでなく、年少の岡村さん、山﨑さんにも「写真集」を打診していたでしょう。

 

十人十色というだけあって、ハロプロファンにも様々な考えがあると思いますが、個人的には、新人の年少メンバーや水着を着たくないメンバーに「ビジュアルフォトブック」という道を用意したことで、ハロプロは令和の時代に対応できると感じました。

「水着なんてけしからん!」という意味ではなく、アイドル側に選択権があって、水着ありの写真集も水着なしのフォトブックも自由に選べるという「環境」が大切だと思います。