コンサート会場まで急ごうと、乗ったタクシー。
運転手さんが「どなたのコンサートですか?」と聞いてきたので、私は正直に「モーニング娘。です」と答えました。
「まだやってたんですね~ もう解散したんだと思ってましたよ」
鼻で笑う運転手。
この手の反応には慣れていますが、タクシーの運転手に言われるとは想像もしていません。
(接客業の側面もあるのに、すごいことを言うなー)
と思いながら我慢していると、運転手の口はどんどんなめらかになっていきました。
「なっちはいないんでしょ? ごっちんも」
「なっち」とは安倍なつみさんのことであり、「ごっちん」は後藤真希さんを指します。
モーニング娘。に詳しくない方は後藤さんを「ゴマキ」と呼ぶので、(この人は、アイドルが好きなのかもしれない)と思いました。
「モー娘。なんてオワコンオワコン。紅白おちちゃったんだから」
「今はAKBの時代ですよ。AKBAKB」
「あっちゃんの握手会に行ったことあるんですよ。さすがに知ってんでしょ? あっちゃん」
私は(武勇伝の人ですか?)というボケを心の中にしまって、
「卒業されるみたいですね」と返す。
それっきり、運転手は一言もしゃべらなくなりました。
あれから7年。
武勇伝はYouTube大学に、あっちゃんはかあちゃんに。
こんなブログを書いたのは、11年半続いたAKB48の冠番組が終了するというネットニュースを見て、当時の記憶がよみがえってしまったからです。
今年に入って、AKB48が何年も続けてきたレギュラー番組が、次々続々と最終回を迎えています。
あの時のタクシー運転手は、今も48Gを応援しているだろうか?
それとも、坂道あたりにころがって、48Gのファン(お客さん)に、
「AKBなんてオワコン」などと言っていたりするのか……。
私が言えるのは、アイドルやプロスポーツチームは、他の誰かの「好き」を殴る棍棒ではないということだけです。


