齋藤の現在の研究


一言でいえば「教育現場に適用可能な既存技術のブレイクダウン化」がテーマ。

実用的テーマを、エンジニア的センスで効率よく現場で発揮するための具体的な手段を構築する、その背景となる技術データベースを収集整理活用すること。

そして、その結果として、コストパフォーマンス改善に寄与される。


齋藤の現在の製作作品

*キット関連
AY-3-8700、8615 戦車ゲームキット(秋月キット)
*時計カウンタ編
MK50362モステック社多機能デジタル時計
TMS1121プログラムタイマー時計
ICM7208周波数カウンタ
写真タイマー(C-MOS)
*マイコン関係
YM2203FMステレオ音源ボード(MZ80B用)
8255PPIボード(MZ80B用)
NAMCO「Mappy」拡張インターフェイス
PC9801 CBus PPIボード
*電話関連
SCR利用電話優先切替器
*照明関連
トライアック調光装置
蛍光灯式デジタル時計
*無線関連
SCR利用マイクSW保持回路
マイク切り替え回路
BBDエコー装置
スタンバイピー
29MFMトランシーバ
21MSSBトランシーバ
無線用FAX伝送装置
*電源関連
30A安定化電源
*計測関連
パルス信号測定装置
光学式カウント装置
ECGアダプタ

などなど。

 

齋藤の現在のプロフィール


1960年代初頭、愛知県名古屋市で生まれる。

18歳まで愛知県で過ごし、大学時代より兵庫県に在住。

『幼少の頃よりメカ類に興味を示し、ドライバーがあれば大抵の機器を分解して遊んでいた。

今思えば道具を使ってかなり危険ないたずらもしていたようだ。

10歳頃より電子部品を触りはじめ12歳(昭和50年)で電話級ハム免許を取得。

当時の自宅平屋の屋根の上に、くもの巣如き電線状アンテナを張り、調整にこだわって屋根に穴を開けてしまい、自宅が雨漏りするほど、熱を入れる少年であった。

また中高時代には電子回路製作や写真などに多く時間を費やして過ごした。』

芦屋大学修士卒業、母校に就職。

1980年代当時は、マイコン黎明時期にあり、趣味の電気街巡りも、名古屋大須から、大阪日本橋に行動半径が変わる。

この頃主流だったZ80、8086アセンブラでのプログラム経験はその礎をなしており、ラジオ、マイコン少年の面影を現在に受け継いでいる。


齋藤の現在の趣味特技


第1級アマチュア無線技士、大学の頃から続けているモールス会話(ハムコンテスト)、日曜大工(便利屋さん)、車は、スバル LEGACY OUTBACK 3.6。

 

 

 

 

撮影 MAAさん

 

 

2.電子部品・配線実装技術

2.電子部品技術

電子部品には多くの種類があります。順に其々の特徴を上げてみました。

2.1半導体


半導体部品は、シリコンやゲルマニウムといった純結晶にごく微少の不純物質を混入させた素子で構成された回路などを樹脂などのパッケージに入れて作られています。

半導体部品はおおまかに区分するとダイオード、トランジスタ、サイリスタに分類されます。

電気信号の特性、周波数や電力の違いによって数多く生産されている種類の中より適切な部品を選択することは重要です。

一般的に半導体が扱う電力や周波数が高いと熱が多く発生し、冷却対策が重要となってきます。最近のMOSFETデバイスはいわゆるOn抵抗低減とよばれる材質改良によって熱の発生を抑え、より高密度の動作が可能となってきています。

例えばスイッチング電源装置内には従来トランス素材で構成していた時代の重量、体積とも数分の1以下で同等以上の変換能力を得ることができるのも、MOSFETを中心とする基幹部品の進化に他なりません。

また半導体を中心とした部品を混成して作られる集積回路LSIにおいても独特の機能を持ち合わせた構造を有し、ASICと呼ばれるカスタムLSIの機能は今後もますます発展応用のニーズがあるものと期待されている分野です。

 

2.2受動部品


受動部品というのは能動部品でない電子部品のことで、具体的には抵抗器、コンデンサ、コイルといったものをさします。能動部品とは、外部にエネルギーを供給することのできる部品をいいます。具体的には電池(電源装置)や半導体部品などです。

電子回路で使われる受動部品には用途に応じた特徴があります。製品の小型化ニーズに伴い、材質や構造の進化がみられます。

2.2.1コンデンサ


絶縁物を介した電極をもった構造がコンデンサの基本的な仕組みです。種類としてアルミ電解、タンタル、フイルム、セラミック、マイカ、他に電気二重層、半導体などがあります。 誘電率が大きい電解質をもったいわゆるケミコン類は、小型機器の平滑回路など多く使われています。またケミコン類は極性があり、取付けの際注意する必要があります。


2.2.2抵抗


炭素やニクロムなどの金属で作られる抵抗は、電子回路での電流制御の中核的部品です。中でも金属皮膜抵抗器は高精度、高安定の代表的存在です。

抵抗値の誤差を表す数にE標準数というのがあり、例えば5%の範囲ならE24系列、1%ならE96という具合に抵抗値の種類が用意されています。

他に抵抗ネットワークとよばれる複数の抵抗素子が入った部品があり、回路構成合理化に役立っているものもあります。

2.2.3コイル


渦巻きのように電線を巻いたものをコイルとよんでいます。

用途によって高周波系、信号系、電源系に大別できます。コイルの中でもトランスとよばれる2つ以上のコイルを組み合わせて電圧可変やインピーダンス変換の用途に作られたものもあります。デジタル機器のコード端末にはフェライトコアとよばれる磁性体を用いたノイズ低減フィルタをみたことがかるかと思います。

これはフェライトの磁性体特性により電源コードや信号ラインから漏れ出てくる不必要な電磁波を吸収減衰させるために取り付けられています。

2.3接続部品


電子部品を組み立て接続するには、実は各種の接続パーツがあります。

2.3.1コネクタ


コネクタは、電子回路を構成する内部機能を電気的、機械的に分離させる役割があります。電気信号によって例えば多極、同軸、光、IC,設備などに分類することができます。 コネクタは一般的に構造上、金属接点をもっています。

ネジやばねの圧力によって金属部分の接触が行われて信号が伝達されます。振動や湿度、ガスに強い構造は装置の信頼性に大きく影響します。用途に応じ、適切なものを選定するのが大切となります。

2.3.2スイッチ


スイッチは人(例えば指など)によって操作されるものや、機械によって操作されるもの(例えばマイクロSW)に大別されます。押したり倒したり回したりすることによって電気接点が開閉する構造が一般的に多く作られています。

また動作している時に表示が出るものやLED表示器などを内装したものがあります。シート、ゴム素材でできたものやタッチパネル状のものもあります。

2.3.3電線


ワイヤとよばれる電線の種類には単芯、より線という導体の構成の区別以外に、ツイスト、シールド、フラット、同軸といった電気信号の回線数に応じた種類があり、絶縁材料に応じた区別も存在します。

温度や湿度など環境に適応するための絶縁体や高周波伝達を確実に行うための支持構造を持ったケーブルがあります。

2.3.4基板

複数の電子部品を実装配線、組立てするのに使われる基板は、昔は紙フェノール素材が使われていました。その後紙エポキシ、ガラスエポキシ材といった絶縁材料が開発され、銅箔をこれら絶縁板上に接着されたものがプリント基板の構造です。

最近では両面や多層構造基板によっていわゆるジャンパ配線を伴う配線設計がCAD上で行えるようになっています。


2.4機構部品


電子回路には機械的な動作原理や機能を持つ部品も勿論使っています。

2.4.1リレ-


日本名「継電器」と訳されるリレーは電磁石とバネの作用により、機械的に電気接点を切り替えて電気回路を制御するのがその役割です。

電気を入切する接点の容量や回路、電磁石を駆動する制御コイルの電気特性など、機能に応じて選択いたします。 接点の機械的寿命が無く、高速動作可能な半導体リレーも現在随所に使われてきています。

2.4.2振動子、発信子


正確な振動によって基準時間を作ることのできる水晶振動子はデジタルパルス回路の周波数を司る中核的部品です。

水晶振動子の高精度、高安定な特性を活かした通信伝送機器、コンピュータ回路などごく普通に使用されています。水晶単体のみでなく発振回路を組み込み、温度変化の安定化や任意の周波数を取り出せる回路を付属させたものなどがあります。


2.4.3フィルタ


園芸道具で用いる「ふるい」は大きさの異なる石や砂のサイズを分別するのに使いますが、電子回路の世界でも同様な装置、それはフィルタという部品です。

主にコイルやコンデンサで回路を組み、周波数が高い、低い、中間といった用途に応じて設計いたします。LCフィルタ以外に、高周波では誘電体を用いたフィルタもあります。

2.4.4電池


電子機器の小型化に伴い、小型高容量な電池の開発が進められています。

電池は化学電池(普通は乾電池などこれを指す)、物理電池(太陽電池など)、生物電池(微生物電池など)に分類できますが、化学電池についてもう少し細かく分類すると、使ったら終りの1次電池、充電できる2次電池、そして燃料電池の3つに細分することができます。

電池は基本的に物質材料の化学反応によって電気エネルギーを取り出します。用途に応じた使い分けが大切です。


3.配線実装技術


電気の信号を伝達するためには配線作業、具体的には接続加工いたします。電子回路上を配線するのに役立っているハンダをはじめとする接続の技術にはどのような意味があるのでしょうか。

 

 

 


引用文献


最新電子部品・デバイス実装技術便覧 井原惇行、益田昭彦他R&Dプランニング 2002年12月16日発行

 

 

 

撮影 MAAさん

 

 

 


1.設計技術

はじめに


科学と技術は両輪の関係にあります。電子技術は今日の現代社会を支える大きな私達の財産です。技術現場フィールドのテクニカルな方向から電子を扱ういろいろな技術的側面をわかり易く紹介いたします。

目次

1.設計技術
1.1動作原理と回路設計

2.電子部品技術
2.1半導体
2.2受動部品 2.2.1コンデンサ 2.2.2抵抗 2.2.3コイル
2.3接続部品 2.3.1コネクタ 2.3.2スイッチ 2.3.3電線 2.3.4基板
2.4機構部品 2.4.1リレ-2.4.2振動子発信子2.4.3フィルタ2.4.4電池

3.配線実装技術
3.1ハンダ
3.2ワイヤリング

1.設計技術


私達の普段の暮らしの中で、例えば引っ越して新しい環境の部屋で暮らすイメージを想像してみましょう。どんな種類の家具をどこに配置し、今ある寝具や食器はどの位あり、必要あるいは不要なものがどのくらいあるのか、また部屋のカーテンなどの内装やベランダの様子、買い物など交通の状況によっては自転車が必要かどうか、いろいろと暮らすという中にも検討しておかなければならないことがあります。

また単に引越しといっても1人、家族、あるいは会社という単位でも内容はやはり大きく異なりますね。設計は電気の世界では、電子装置の回路をどのような原理や手法で動かし、装置の役割を務めるのか、といった大変奥行きのある分野なのです。

設計技術の立場から懐中電灯を例にとってご説明しますと、懐中電灯の機能として、暗い夜や光のない地下室など、乾電池のエネルギーで豆電球を点灯させて暗闇でも安全に歩くための照明としての機能を果たす器具という役割があります。

実際、懐中電灯の商品を調べてみますと、実に多くの種類があることに気がつきます。機能項目で分類しても、という、多少の雨がかかっても大丈夫な防水構造となっているもの、水中で使えるもの、ヘルメットにつけて使えるもの、あるいは充電式や発電式、など実に多種多様で驚かされます。 こうした用途に応じ、種類を使いわける、あるいはその機能がなければ改良することによって機能を満たすようにしていくわけです。

この機能を実現する、元となる作り方こそが設計技術という分野なのです。

防水機能は装置に水が入らないような構造と材料が必要なりますし、充電や発電機能をもったものはそれなりの回路設計を必要とします。

前置きが長くなりましたが、電子回路を中心とした回路設計について紐解いてみたいと思います。

1.1動作原理と回路設計


動かす対象が人を運ぶ機械、例えばエレベータとか自動車といった場合、それなりの基準で設計しておかないといけません。

動作中に故障しても安全に停止できるような仕組みを取り入れることが要求されます。

製品によって価格差があるのは、実は設計段階での信頼性をどの程度高めていくか、という点で異なってきます。

例えば自動車のカーラジオ設計を例にみると、通常車の使用温度範囲は日本の場合、冬、零下20度位から真夏の40度を越え、また絶えず道路からの振動を受け、場合によっては結露も生じやすいといった過酷な条件にもある程度耐えるように動作するためにはそれなりの構造を必要とします。

自動車用に設計していない家庭用ラジオの例では、夏の密閉車内温度熱に耐えられず、樹脂変形や電子回路の動作不良が起きることがよくあります。

こうした温度という環境ストレス1つをとっても、電子回路の動作特性は大きく影響を及ぼします。

一般的に温度が高くなると半導体の場合、「負特性」により、より電流が流れやすくなる傾向があります。

上手に電流をコントロールしていわゆる「熱暴走」とよばれる現象を止めてやる仕組みが必要となります。

また、低温下では化学コンデンサ類の電解液特性が変わり、容量低下によって回路動作が変わってしまうことが知られています。

回路設計は温度や湿度の変化によってどの程度安定して動作させることが可能かをよく調査検討し、適切な部品や回路方式を採用することが求められます。

 

 

 

撮影 MAAさん

 

 

 

 

 

2.電気と回路

便利な道具、それはテスターとよばれる電気屋さんが使っている測定器が大変重宝します。

テスターは電圧(電気がきているかどうか、またその高さ)、電流(流れる電気の大きさ)、抵抗(流れやすさ)を検査でき、診断を正しく行うことができます。ねずみにかじられた電線を用意するのか、器具を交換、あるいは修理するのかの診断に、このテスターの存在は、重要な電気屋さんの道具だからです。

電気が正しく通っていないところを発見するための道具、それがテスターでの仕事です。


やっぱりテスター


電気がある、ないを調べたりするにはやはり道具が必要です。例えば自宅の照明がスイッチを入れても点かなかったとき、貴方はどうしますか。電気屋さんを呼ぶ前にちょっとした知識があれば、貴方にもできることが多くあります。電球が切れたものと思い、大抵電球を一番最初に調べることが多いですね。もちろん殆どの場合は電球の交換で直ることが殆どです。でも電球を交換しても点かなかったら。


専門家達はこんな順序で点検しています。


1.電力会社からちゃんと電気がきているか。=電気がきていなければどうしたって点きません。他の電気機器が動いているかどうかを確認してみましょう。

2.ブレーカが落ちていないか。=何かの事故で回線に負担がかかって落ちた可能性があります。原因を調査してから復帰させましょう。

3.スイッチや器具の不良ではないか。=稀にスイッチの接点不良や電球の配線が熱などで劣化して故障することがあります。また製品によっては調光ユニットや通信回路が原因の故障も考えられます。

1や2は器具そのものが原因ではなく、器具を配線している大元の電気系統に原因がある場合です。2の場合、ブレーカの位置を知っていないとなかなかわかりませんですね。専門家達は3の場合、本業として活動開始です。でも機器を交換しても点かない場合、稀に配線途中の電線が動物によって噛み切られていた、なんていうこともあるので大変です。<<コラム終>>

 

電圧って

皆さんも体の大きさを現す単位として長さのメートル、センチメートルをご存知でしょう。これと同じく電気の大きさである高さを示したものが単位のボルト、V。

私達の体に乾燥した冬の季節、静電気で体にたまった電圧は実に1万ボルト程度にもなります。でもこの静電気はちくっ、とする程度でそれほど大きなエネルギーを持っていませんので、まぁご安心を。ただし同じ1万ボルトでも電子レンジやブラウン管テレビ装置内は大変危険です。

コンセントの100Vといえども濡れた手などで触るのは危険です。

危険な理由は、静電気と違ってエネルギーをいっぱい持っていますから、高い電圧であればあるほど私達の体内部に電気がよく流れるわけです。

ちなみに鳥が高圧電線に止まって休んでいる場合があります。

鳥は電線の上だけに感電しないのかと思われますが、もう1本の電線との距離があるため、電気は流れません。時々田舎の夏時分、ガイシという白い絶縁物あたりで丸焦げになって昇天し、蛇が送電線に上って電気を止めることがあります。都会の地下鉄もたまに動物が電気を止めることがあるようです。


電流って


体の大きさをあらわすもうひとつの単位として体重があるのと同じように、電気の流れる量を示す単位がアンペア、Aです。電流が大きいということは水が流れる川幅が広いというイメージと同じです。自動車のバッテリは電圧が12Vです。

でも電流を大きく流すための太い電線を使っています。エンジンをスタートさせる時、一瞬100A位の電流が流れます。家庭用のコードの10倍位太い電線を使わなければ重たいエンジンを回す電気エネルギーを運びきれません。電線にはいろいろな種類の電流を流すのに適した構造や太さの違いがあります。

例えば電圧の高い電気で電流が少ない回路には電線よりも周りの覆いの方が太いコードを用い、一方電圧の低い大きな電流を流す電線では、覆いより遥かに重くて太い銅線が使われます。モータにはエナメル電線という種類の電線がよく使われています。


抵抗って

実は電圧と電流には微妙な関係があって、抵抗の単位であるオームという人が見つけたのがその始まりです。

先程の例では、抵抗を小さくして電流をいっぱい流すために太い電線を使うわけです。

太い川では広い水田に水を供給できますが、小さな小川ではなかなか水がいきわたらないイメージですね。また川が曲がりくねっていたら流れ方が悪いですね。

だから抵抗はギザギザの記号を使って表現しています。

抵抗にたくさんの電流を流すと熱が出てきます。電球は熱が光になる位、多くの電気を放射しているのです。

 

 

 

 

 

1.電気の存在を知る

 


電気の存在「静電気」


冬の乾燥した季節にあのぱちっ、という火花でびっくりした経験は多いですね。実は日本にもエレキテルという摩擦起電器があり、江戸時代の博物学者平賀源内が復元した静電気発生装置が存在していました。語源はオランダ語(ラテン語)のelectricteitがなまったもの、といわれています。雷も実は大気の静電気から生じる静電気の親玉みたいなものですが、落雷音はいつ聞いてもあまり心地よいものではないですね。実は電子機器の分野では、静電気は厄介でもあるし、また役立つ存在でもあるのです。


静電気で迷惑な分野といえば半導体を中心とした電子機器の装置です。皆さんもメモリーカード(USBやSD、CFなど)をはじめとする極小さい電子部品は静電気の高い電圧が大の苦手。あのぱちっという音がする数千ボルトの電圧で簡単に絶縁破壊という故障をしてしまします。こうした製品には弱い静電気にも保護する安全装置が電気を通る端子(たんし)に付いているとはいえ、用心するに越したことはありません。世界に1枚しかない貴重なあなたの写真が静電気でお釈迦になったら目もあてれませんですから。


一方、静電気を活用して動いている代表選手は、例えばコピー装置が有名です。トナーとよばれる粉を静電気で吸い寄せ、紙に貼り付けて印刷する技術はホントに役立っていますね。他に空気清浄機や掃除機などの分野でも静電気の吸着力を応用しているものが数多くあります。 静電気は、空中を漂う霧、煙(=電子)を小さなほうきで集めたり放ったり、そんなイメージなのが静電気なのかもしれません。


<この章のまとめ>


電気のフィールドは大変広く、まだまだ改良進歩していく分野はこれからも増えていきます。私達と電気のかかわりを紐解く、いろいろなことをこれから知ってみましょう。

 

電気の存在「磁力と電気」


磁石で遊んだことはありますが。文具コーナーなどに丸型の紙止め用磁石やゴム磁石などがありますね。磁石を電線に近づけたり離したりすると、実は電気が起きるのです。さきほどの静電気の発電(摩擦電気)とはちょっと原理が違って、磁石の帯「力=ちから」から電流を作り出します(電磁誘導っていいます)。


発電機は、磁石と電線から効率よく動く磁石の帯を集めるような構造となっていて、雑巾(=電線)で水分(=磁力)を捕まえ、絞ってバケツ(=電流)に集める、そんなイメージが発電機、あるいはモータといえるのかもしれません。磁石からつくった電気は「流れ」が特徴的で、例えばトランス(=変速機付き自転車の歯車みたいなもの)を使うと、高い電圧(高い滝)や大きい電流(太い川)に、「変換」を自由にすることができます。私達が使う電気エネルギーの殆どは発電機を使って作られています。


電気の存在「イオン」


レモンは酸っぱいですね。こうした酸やアルカリといった液体などを利用して電池をつくることができます。乾電池は金属と電解液の化学反応を上手に利用して発電します。最近ではリチウムイオン電池といった容量の大きい電池が有名です。太陽電池も電池という名前がついていますが、半導体を利用した物理電池の一種で、発電の原理は化学電池とは異なります。最近、燃料電池は水素と酸素から電気をつくるクリーンな発電方法として注目を集めています。分子レベルでの研究が盛んに行われ、実用になる日も間もなくでしょう。


電気の存在「光、熱、電波、音」


太陽から降り注ぐ光は暖かいですね。でも蛍光灯や最近の半導体の明かりは、暖かくないですね。これは暖かい赤外線が含まれていないからです。赤外線は目には見えないけれどリモコンなど電子機器にも多く使われています。情報機器の代表的存在、携帯電話は電波を使って通信します。着信音マナーで気をつけていますか。これら通信機器の殆どは電波、音、映像(光)を用いた複合機能を高度に利用したものです。コウモリやイルカといった動物達は超音波で会話するそうですが、音の反射で中身の様子を調べるエコー画像装置など、こうした原理で私達の暮らしに役立っているものが数多くあります。

 

 

 

 

 

 

 

齋藤電気の<電気電子・いろはにほへと>

 


上手く設計された製品は、使っていると、しっくり馴染むし、とても美しい。


そして電子回路は数年経過すると、どこかが故障する。その中で一番多い例が断線。


その切れた箇所を繋ぐことで、それらが元通り動き出すのは、修理という作業に携わった者の醍醐味である。


もちろん、断線だけが故障の原因ではない。


自分で設計した回路ならば弱そうな箇所を特定できるが、集積LSI部品内部の動きまで把握するには少しだけ時間がかかる。


電子技術は、どんな原理で動いているのか!そのロジックの組み合わせを実際の回路で実現させているところ!


そこに興味の真髄が隠れている。


「ものつくり」がうたわれてきている昨今、この齋藤と電子分野の知られざる世界を一緒にのぞいてみませんか?


あなたを電気の世界へご案内します。