菅刈公園吟行報告(2013年3月30日) | DEN

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「田」俳句会のブログ



 2013年3月30日(土)、田俳句会における東京圏での久々の吟行が、

ひっそりと催行されました。


 今回は、有志を募っての吟行でした。題して「古澤あや芽さん追悼句会」。
そう、去る1月18日に逝去された古澤あや芽さんを偲び、故人に縁ある者たちが集い、
かつて句会や吟行などで故人と一緒に過ごした日々を懐かしむ、というのが趣旨です。

DEN-菅刈吟行パンフ

 当日は、前日の生温かさとは対照的に、今一度冬が到来したんじゃないかと

思われるほどの寒さと曇天に見舞われました。(推定温度12C°)

きっと先日の金沢句会における「ジェットコースター気候」を、誰かさんが東京まで

お持ち帰りしたためと思われます。


 吟行場所及び句会場は、故人のご自宅から程近い距離にある、目黒区の「菅刈公園」。
池尻大橋、中目黒、代官山という、どの最寄駅からも微妙に距離がある場所ですが、
その分、途中経路には「目黒川」や「西郷山公園」といった桜の名所が隣接、

目白押しであり、決して飽きのこない散策ルートを経由しての吟行参加となります。


 まあ、この寒さのおかげで、目黒川の桜は「8回の裏」くらいの様相を保っていました。
週明けにはゲームセットといったところでしょうか。


DEN-目黒川

 さて、菅刈公園。江戸中期に、旧岡藩(大分県豊後竹田氏)藩主中川家の抱屋敷で

あったが、明治になって西郷隆盛の弟である「従道」の所有地になり、洋館や書院等が

建築されるとともに池や滝、大芝生地などの大改造が行われた結果、かつては

「東都一の名園」と言われたほどの、明治期の欧化思潮に影響された和洋折衷式の

典型的な庭園である、だそうです。

DEN-菅刈公園 DEN-庭園

 それにしても、やけに立札、それも「xx禁止」系のお触れの多い公園ですこと。

DEN-立札1 DEN-立札3 DEN-立札2

 13時に会場である園内の和館にてヌクヌクと句会場をセッティング、参加者を待ちます。
やがて、遠慮がちに1人、2人と現れる、愛すべき参加者たち。

 そんな折、幹事の携帯電話に着信が。とある参加者(仮称:S5)からの救難信号で、
「今、西郷山公園に居るのだが、菅刈公園の場所が判らなくて遭難している。」とのこと。
ヌクヌクとした和間から幹事はスクランブル発進、隣接している西郷山公園に向け、

急坂を駆け上がり、春北風の中を遭難者を救助に。程なく西郷山公園のほぼ頂上にて、

他者の酒盛りに見とれて動けなくなっているS5を発見、救助できたのは良いのですが、

そもそもS5が、池尻大橋から菅刈公園を経由せずにどうやって西郷山公園に

辿り着くことができたのかは、永遠の謎です。


 結果的に集まったのは、女子組が、C、R、S、H、S5。男子組がH8、そして私H7の

総勢7名(全て仮称)。

 十畳の和間にテーブルを備えたり、座布団を並べたり、あや芽さんの遺影を床の間に

飾ったり、ポットにお湯を沸かしてお茶を入れたり、お菓子を配ったり、

アヤメの花を手向けたり、短冊や用紙を配布したり・・・。
全ての作業が参加者全員による手弁当方式にて行われました。

 参加者の先着5名によって提示された席題は、「芽」「後」「電話」「花」「舞」。
14時の投句締切まで、プレッシャーの中でも、故人にまつわる思い出話や
この界隈の

観光スポット話、その他世間話などに花を咲かせつつ、各自5句を投句します。

DEN-句会景1 DEN-句会景3

 その後は、通常の句会と同様の形式にて処理が進められました。清記用紙を左回りに

回覧し、7名×5句の35句から、6句を選句します。(特選はなし)。

 お約束の「桜」の他、紫木蓮、海棠、芽吹、花筏、木の芽山、春寒、飛花、落花、花冷え、

などの吟行ならではの写生の句に加え、故人であるあや芽さんに対するトリビュート句や

それに準じた句も数多詠まれ、各自による多種多彩なるコメントや感想、

改良のヒントの提示などが賑やかに16時の閉場間際まであふれ返っていました。


 締めは床の間のあや芽さんの遺影を囲み、記念写真をパチリ。


 会場を後にするに際しては、テーブルや座布団を片付ける人、湯のみを洗って仕舞う人、

ゴミを纏める人、ポットのお湯を抜く人・・・これまた全て参加者全員での手弁当方式。

愛すべき参加者の皆様、ご協力有難う御座います。


 その後は、皆でダラダラと句会場から目黒川を遡り、最近完成した首都高速の

大橋ジャンクションを横目に池尻大橋方面へ。ある者は帰途に着き、

ある者は二次会場である酒場へと足を向けるのでした。

DEN-句会後


  つたない幹事でしたが、無事にやり終えてほっとしています。
 愛すべき参加者の皆様、本当にお疲れ様で御座いました。


          以上 無責任編集 by H7