禾・田集抄 巻頭三句【6月】更新 | DEN

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「田」俳句会のブログ

 先日は立川ゆきさん初句会ということで、
久しぶりに武蔵野句会へお邪魔しましたが楽しかったです。
ゆきさんは、句会が初めてとは思えないほどでしたね。
落ち着いて受け答えをしていたので、びっくりしました。
やっぱりステージに立っている人は違うんだなあと感心しちゃいました。
お土産のお菓子、たくさん頂きました。美味しかったですグッド!
お話はそんなに出来ませんでしたが、今後ともよろしくお願いいたしますニコニコ

 そして今月は、史子さん、明子さん、そしてオオッと!私です。

DEN-俳句 6月

  海鳴りへ夜の屏風を据ゑ直す 史子

 屏風ときくと金箔などをはった美術品のようなものをすぐに思いついてしまいますが、本来は、部屋を仕切ることで風や寒さを防ぎ、防寒の役目を果たす調度品で、襖や障子などと並んで冬の季語に入っています。中国から日本に伝えられた衝立が、折りたたんで移動できる屏風に進化したそうです。
主宰のおっしゃるように、今まで出会った屏風の句というと、たしかに絵屏風など装飾品としての意味合いに比重がおかれた俳句が多かったような気がしています。
この句は、下五の「据ゑ直す」というさり気ない所作が、冬の寒さを伝え、季語に実感を持たせています。
まさに季語の本意を据え直したともいえるような俳句です。寒さと海鳴りを屏風で遮断しつつも、そちら側へと意識が広がり、深い余韻が残る一句です。


  仲春や籠に水菓子箱に菓子 明子

 春を三つに分けたなかの真ん中が仲春で春なかば。だいたい三月のこととなっていますが、俳句を作るとなると難しい季語ですね。明子さんのこの一句は、主観的になりやすい季語をうまく捉まえていると主宰はおっしゃっています。茫洋になりがちな季語に中七下五の具象表現が効いています。対比させることで、よりリアルに季語を感じとれます。リズムもよく、春らしい色調のお菓子のパッケージが連想できます。明子さん独自の明るい透明感というか、たおやかな感じというか...うまく表現できませんが、そんなものもこの句から感じられました。


  かまぼこの角揃ひたる花の昼  芽里

 編集部句会の時に作った一句です。テーブルに副主宰の好きなかまぼこが.....笑
取り合わせの面白い句として主宰に評していただき、嬉しいです。

MERI