禾・田集抄 巻頭三句【1月】更新 | DEN

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「田」俳句会のブログ

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新年の巻頭を飾ったのは、幻象さん、のりをさん、つつじさん!男性陣が並びました。おめでとうございます!

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 十六夜やたうとう夫婦二人きり  幻象

 子育てを終え、安堵の想いとともに寂しさが伝わってくる素敵な俳句ですね。
家族で積み重ねてきた時間が「十六夜」に託されています。この季語の使い方、心憎いばかりです。
しんみりとした秋の余韻が、いつまでも残ります。


 稲妻や力抜いたり貰つたり  のりを

 稲妻の鼓動が感じられるような作品ですね。大空を切り裂くような音と光に、ふと我に返ったのでしょうか。
主宰は選評で、稲妻と自身の人生観を取り合わせたところに妙味があるとお書きになっています。
ほんとうにおっしゃる通り、普段生活していると、ついつい力みすぎてしまったり、反対に力を抜きすぎて、ダレてしまったり...(私の場合コレばっかり...)色々とありますよね。
どこか達観しているようなこの句を読むと、気持ちが軽くなってゆく気がします。


 堀りたての藷のころがる震災忌  つつじ

 堀りたての藷が生々しさを連想させると主宰に評されています。たしかに生々しいですね。
薩摩藷がむき出しになって畑に転がっている様子を想像しました。
乾いた土埃とともにあの忌まわしい過去が呼び起こされるかのようです。

ちなみに今月の1月17日は、阪神淡路大震災忌で阪神忌として季語になっている歳時記もあります。 MERI