トレ-ドの風景 | DEN

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「田」俳句会のブログ

皆さんが「あ~めの駒場野、よ~ぎりの渋谷」吟行されている間、私は二時間ちょっとでしたがスペインのトレドへ一人吟行して来ました。
事前にホテルで電車の出発時間と駅を確認していたのに、教えられた駅は言わば東京駅で、トレド行き電車は上野駅から出ているとのこと。
その結果、一時間ロスすることとなり、慌しい吟行となりました。
町の見所を見て回ったらほとんど時間がなくなってしまいましたが、町のパノラマだけはどうしても見たかった。だから、電車に乗り遅れたらその日の帰国便に間に合わないのを承知の上で、最後はタクシーを飛ばして町の見える対岸へ。
そこで写真を撮ってすぐに駅へ折り返しました。
わすか30秒くらいでしたが、それでもこの景色を見たかった。撮りたかった。もはや吟行ではないですね。
どうしても見たかった理由は、エル・グレコの「トレード風景」という絵が脳裏にあったからです。
あの暗い空と町の風景画、否、宗教画と言っていいグレコ独特の霊性漂う絵画の風景をこの眼で見たかったのです。
実際はこの写真よりもっと左へ回ったあたりから見た風景だと思うのですが、駅は右側にあるのでこの角度で我慢しました。ほんとうはゆっくりリオハワインでも傾けながら帰国便を待つくらいの余裕がほしかったです。そうすれば深い霊性を感じる町だからきっと俳句の神にも出会えたかもしれません(笑)。出張の空き時間でトレドに二時間でも行けたことを幸いと考えないと罰が当りますね。

トレードの風景