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~前回のあらすじ~
せっかく決まった仕事を衝動的に辞めた。終
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仕事を辞めた私はその後、街を彷徨い、
壁にかける鹿の頭の剥製(?)が捨てられていたのを見つけた。
ふと一人の友達が鹿の頭を欲しがっていたことを思い出し、
鹿を自転車のフロントかごに積み、その友達の店を目指した。
街の中を鹿自転車で走るのはかなり目立つので気をつけた方が良いです。
![DendrobiumSoundSystemBlog-しか](https://stat.ameba.jp/user_images/20130729/18/dendrobiumsoundsystem/70/fe/j/t02200293_0480064012626944382.jpg?caw=800)
友達はたいそう喜んでくれました。
彼は僕が高校生の頃にバンドを組んでくれたお兄さんで、
「月寒あんぱん」が食べれる喫茶店をやっています。
鹿の頭を置いた後は、明るいうちから酒を飲みながら「アホや。俺はアホや・・・」と嘆き続けていました。
するとなんたる偶然。
もう一人の当時のバンドメイトがお店に現れたではありませんか。
彼はパンの移動販売をしています。
二人は、愚かにも安易な仕事の辞め方をした僕に笑って励ましてくれました。
鹿を拾わなければお店に来ることはなかったし、
こうして友達二人に会って励ましてもらうこともなかったでしょう。
そして一人で居たらもっと酷い落ち込み方をしていたことでしょう。
鹿は神サマの使いだったのでしょうな。
帰り道では花火大会が行われていた。
人人人。
人ごみの中を、自転車を押して、遠回りして進む。
どこかに腰かけて花火を眺めようという気にはとてもならなかった。
ただ、帰りたかった。
友達は「切り替えが大事だよ。次つぎ!」とアドバイスをくれた。
そう、落ち込んでいる場合ではないのだ。
早く帰って、次を。
次を・・・
次・・・
俺は、寝た。