死刑を宣告される前の囚人のようにうつむいていた、今年の結果はどうだ?Ⅹ線写真を険しい顔をしながら眺める担当医が言った「のらさん、順調です」良かった、また命が繋がった、僕は30歳の時に結核に倒れた、原因は栄養失調、貧しい一人暮らしをしていて最悪の結果になった、隔離病棟で2カ月入院して完治ではなく寛解という状態で退院した、再発しないためにもしっかり栄養を摂って養成するようにと言われている、「ただ…」と担当医が付け加えた、「体重が軽いですね、もう少し太りましょう」と言われた、グサッと心に刺さった、痩せているだけが取り柄の万年ダイエッターの僕に太れと?それは厳しい注文だが結核が再発しては元も子もない、僕は自棄を起こしてスーパーで好物の1ℓコーンスープを買って一気飲みをした、体重は当然のように綺麗に1kg増量した、タポタポに膨らんだお腹を抱えて「ふっ」と自嘲気味に笑った。

 

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